課題名 | a.環境影響の統合化と環境会計による農業生産活動評価手法の開発 |
---|---|
課題番号 | 2010014858 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,中央研,環境影響評価研究チーム |
研究期間 | 2006-2010 |
年度 | 2010 |
摘要 | 農業経営と物質収支の統合的なデータ管理システムに関しては、1)経営指標から環境指標を計算する簡易LCAプログラムを開発した。都道府県の普及指導事業等で用いられる経営指標を入力することにより、標準的経営モデルの環境影響(温室効果ガス排出量、エネルギー投入量)を簡単に推計することができる。本プログラムはワークシート形式で一般に公開した。2)21年度までに開発したLCAのためのデータベースについて、対象技術の範囲を拡張した。機械除草やアイガモ除草を含む有機農業、比較対象となる慣行農業、エネルギー作物栽培における地球温暖化物質の圃場からの直接排出、堆肥製造、バイオマス変換等のデータを組み入れたことによって、より詳細なLCAが実施できるようになった。 経済性と環境影響の統合的評価手法に関しては、1)環境会計の一手法であるトータルコストアセスメント(TCA)を活用し、経済性と環境影響を統合的に評価する手法を示した。2つの実証モデル(未利用資源である林地残材を活用したバイオマス総合利用モデル、主産物・副産物を総合的に活用したカンショの地域利用モデル)を対象とし、対象地域の関係者が参加するワークショップにおける情報をもとに現状と将来を比較するとともに、ワークショップ参加者による分析結果の現実性の検討を通して、手法の妥当性を検証した。2)LCAの中に地域の発展方向に関するシナリオを組み入れることにより、地域バイオマス利用モデルの現状と将来を比較する手法を提示した。これにより、政策のシナリオに関するシミュレーションが実施可能となった。3)多様な環境影響を統合的に評価する手法を開発し、政策目標値と現状値との差を用いることにより、単位が異なる複数の環境影響を統合的に評価できるようになった。この手法を、エネルギー作物栽培の評価に適用し、分析結果が経験的に妥当かどうかを検討した。 動態的な評価手法に関しては、1)21年度に提示した土地利用の影響評価手法を、国内6カ所のバイオマス利用モデルに適用し、「土壌の質」を評価した。分析結果が経験的に受け入れられるかどうかを、これらの手法の専門家が参加するワークショップで検討した。2)環境影響評価に役立てるため、土壌炭素の動態を評価し、肥培管理や土壌要因から土壌有機物ストック量を推定する回帰式を作成した。 |
カテゴリ | 有機農業 有機栽培 病害虫 かんしょ 経営管理 経営モデル コスト 除草 ストック データ管理 データベース 肥培管理 未利用資源 |