e.病原ウイルス等の昆虫媒介機構の解明と防除技術の開発

課題名 e.病原ウイルス等の昆虫媒介機構の解明と防除技術の開発
課題番号 2010014862
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 (独)農業・食品産業技術総合研究機構,中央研,昆虫等媒介病害研究チーム
研究期間 2006-2010
年度 2010
摘要 アザミウマ類媒介性トスポウイルス病のまん延防止技術開発では1)ミカンキイロアザミウマに対し忌避効果を示すジャスモン酸を処理した植物を中央部に、一方、同害虫に誘引効果を示すトスポウイルス(トマト黄化えそウイルス)感染植物をその外周部に配置したところ、放飼したアザミウマの約97%は外周部に移動し中央部植物の被害が軽減されることを明らかにした。2)トスポウイルス感染植物とその媒介虫との誘引現象を21年度に引き続き解析したところ、メロン黄化えそウイルスが感染したキュウリはその媒介虫ミナミキイロアザミウマを誘引しないことが判明し、トマト黄化えそウイルスとナス科植物で観察されたアザミウマ誘引現象はウイルスと植物種の組み合わせに依存することを示した。3)アザミウマ類の天敵タイリクヒメハナカメムシ、さらにそのブースター天敵であるアカメガシワクダアザミウマの各2回放飼により施設栽培トウガラシ類の被害果率は5%未満に抑制されることを明らかにした。これらの成果により、トスポウイルス病の実用的なまん延防止技術の基盤技術の開発が可能となった。イネウイルス病防除技術の開発では1)これまでに選抜したツマグロヨコバイとイネ萎縮ウイルス(RDV)の両方に対して抵抗性を示す5品種の出穂特性を解析するため、5月に水稲育苗用の土に該当品種を播種し、精密温室(気温28-32℃)と網室(外気温と同等)に設置したところ、1品種(EKOR KUDA119)を除き4品種(KHAO LAP DON、MILYANG22、FUYU 1、FUJIHAKU)は8月に出穂し、他の有用母本の出穂期とほぼ重なったことから交雑用の抵抗性品種育成母本の候補と認められた。2)RDVに対してRNA干渉を起こす遺伝子組換え飼料イネ「たちすがた」および「タチアオバ」は、いずれも病原ウイルスに対して強い抵抗性を示し、飼料用イネとして実用性の高い品種であることが判明した。メロンえそ斑点病制御技術の開発では1)媒介菌オルピディウムの遺伝子情報から、本菌特異的に検出できるPCRプライマーをデザインし、おとり植物での追加増殖法と併せて利用することで、土壌中の媒介菌の汚染程度を定量的に推定する圃場診断法の基盤を開発した。2)ウイルス媒介阻害効果を示すレクチン、ウイルス中空粒子さらにチョウセンアサガオ粗汁液等資材による媒介阻害試験では何れも実用的阻害効果を示さなかったが、メロン圃場の土壌から選抜したバチルス属菌の一種はウイルス病発病抑制効果を発揮することを突き止め、基盤的な制御技術を開発することに成功した。
カテゴリ あさがお 育苗 害虫 カメムシ きゅうり 施設栽培 飼料用作物 抵抗性 抵抗性品種 とうがらし なす 播種 品種 防除 ミナミキイロアザミウマ メロン

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる