s.家畜生産における悪臭・水質汚濁等の環境対策技術の総合的検証と新たな要素技術の開発

課題名 s.家畜生産における悪臭・水質汚濁等の環境対策技術の総合的検証と新たな要素技術の開発
課題番号 2010014876
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 (独)農業・食品産業技術総合研究機構,畜草研,浄化システム研究チーム
研究期間 2006-2010
年度 2010
摘要 1)微生物を利用した堆肥化臭気揮散抑制手法の開発に関しては、固体培養法により有効微生物Bacillus sp. TAT105を十分量培養することが可能となり、長期保存可能な製剤を調整できた。また、本製剤の堆肥原料への効果的な添加量および添加手法を明らかにした。2)ライフサイクルアセスメントによる環境対策技術の総合的検証に関して、排せつ物処理に係る各種データの収集と並行し、排せつ物処理モデルを構築した。このモデルで、メタン発酵、吸引通気堆肥化、ブロイラーふん焼却の導入を全国的に推進するケースの評価を行ったところ、国内の排せつ物処理由来温室効果ガスの29%が低減可能であった。また、評価の基盤データの一つとして重要な環境負荷ガス揮散量を、2種類のブロイラー鶏舎、および養豚の4種類の畜舎で測定した。3)分子生物学的な微生物群集解析に基づいた生物脱臭装置の改良技術に関して、稼働中脱臭装置(ロックウール脱臭方式)の槽内各部位でアンモニア酸化反応の特性を解析した。この結果、反応の基質親和性と最大酸化速度は部位で異なり、ガス流入の不均一性の影響を受けていると推測された。また、アンモニア酸化反応酵素遺伝子amoAに特異的なプライマーを用いた菌叢解析の結果、アンモニア酸化細菌叢は酸化活性の高い部位で特徴的な組成を示した。以上の結果から、ガス流入を均一化し槽内全体に高活性菌群を増加させれば脱臭能力が向上できることを示した。4)硫黄含有粒剤等による畜舎汚水の脱窒・リン低減技術の開発に関しては、硬質パーライト粒充填通気リアクターによる畜舎汚水の微生物利用浄化法において、低価格パーライトでも微生物付着担体として利用可能なことを確認した。また、酪農の搾乳機器の洗浄に使用される各種薬剤の影響について検討し、浄化性能を阻害しない混入率を明らかにした。5)新たな微生物プロセスを用いた脱臭廃液の脱窒技術の開発に関しては、アナモックス細菌を利用した窒素除去手法の実用化を目指し、各地の畜舎汚水浄化施設でアナモックス細菌量と各種環境条件の関係を調査し、pHおよびNOX態窒素濃度が影響を与えると推定した。アナモックス細菌を利用した処理を実用化するうえで、この知見を参考にすることが重要である。なお、本成果は脱臭廃液と畜舎汚水の両者における窒素除去に適用可能と考える。6)堆肥化からの温暖化ガス揮散の亜硝酸酸化細菌を利用した抑制手法の開発に関しては、一酸化二窒素発生抑制効果を発揮する亜硝酸酸化細菌含有完熟堆肥の最適添加時期決定のため、添加後の亜硝酸酸化細菌の生存について把握した。この結果、堆肥の易分解性有機物濃度が乾重あたり10%以下になった時期が適当であることを確認した。
カテゴリ 環境対策 肉牛 乳牛 薬剤

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