| 課題名 | (1) 農業環境の長期モニタリングと簡易・高精度測定手法の開発 |
|---|---|
| 課題番号 | 2010015000 |
| 研究機関名 |
農業環境技術研究所 |
| 研究分担 |
(独)農業環境技術研究所,大気環境研究領域 |
| 協力分担関係 |
岩手県農業研究センター 埼玉県農林総合研究センター 住化分析センター 関西電力 |
| 研究期間 | 2006-2010 |
| 年度 | 2010 |
| 摘要 | ア 地球温暖化に関する物理環境・ガスフラックスの変動の検知とモニタリング技術の高度化(1)温室効果ガスフラックスのモニタリング茨城県真瀬の水田をはじめとする各サイトでモニタリングを継続し、前年度までと同程度の測定項目数・頻度とデータの品質を確保した。基幹サイトとして運用している真瀬サイトでは、遠隔管理システムと情報共有wiki の本格運用により観測の効率化、省力化を図った。茨城県つくば市真瀬の水田で行った8年間(2002~2009年)の観測結果から、単作田の炭素収支の主要項は、植物の光合成・呼吸および土壌有機物分解にともなう水田-大気間の二酸化炭素(CO2)の交換と、収穫・作物残渣処理で、他の構成要素の寄与は小さいことを明らかにした。作付期間の正味の炭素吸収量(NEP)のおよそ半分が収穫時に持ち出され、残りの半分に相当する炭素量が非作付期間に有機物分解により大気中に放出された。この結果、年間炭素収支は8年間の平均で-0.4±0.7 t C ha-1 y-1 (負値は流出)と、ほぼ均衡していた。なお、地球温暖化係数を考慮すると、メタンの発生量は1.0 t C ha-1 y-1のCO2流出に相当し、炭素収支が均衡する水田生態系におけるメタンの温室効果ガスとしての重要性を示した。これらの成果は、農地による炭素吸収源機能の評価のための基礎的な資料として活用できる。渦相関法のデータ処理に用いた一連の手法の普及を図るため、渦相関法の複雑なデータ処理をWeb上で容易に実行でき、結果をただちに利用できるシステムを開発・公開した。同システムは最新のデータ補正や品質管理方法に対応しており、専門家による種々の処理方法の効果の確認のためにも利用できる。イ 作物・土壌中における放射性物質等の長期モニタリングと微量化学物質の簡易・高精度測定手法の開発(1)農業環境中の放射性物質等の長期モニタリング基準ほ場における平成21年産の米・小麦及びその栽培土壌の放射性ストロンチウム(90Sr)、放射性セシウム(137Cs)を分析したところ、平成20 年度と同レベルであり、顕著な濃度変化は認められなかった。土地利用毎の137Cs と210Pb の流出フラックスを茨城県桜川市のほ場において調査したところ、137Cs 濃度はおよそ2~7 Bqkg-1、137Cs フラックスは、10~10000 Bq月-1 であり、両核種とも用水による系内へのインプットが大きく、またその季節的な変化はあまり認められなかった。これに対して畑地からのアウトプットは小さいものの、夏季にその量が高く、冬季に低くなる傾向を示した。129I のバックグラウンド値が高められている東海村の土壌の129I 分析値を、民間と共同で開発しているICP-MS 法により収集した。その分析値は、加速器質量分析計(AMS)による値とよい一致を見せた(一次相関係数r=0.999)。なお、平成23年3月に発生した福島原発事故に際しては、米・小麦及びその栽培土壌の放射性セシウム濃度のモニタリングデータが、平成23年4月8日に原子力災害対策本部が発表した「稲の作付けに関する考え方」の「(別添)水田土壌中の放射性セシウムの米への移行の指標」の算定に活用された。(2)農業環境における化学物質の分析法の開発分析マニュアル(普及に移しうる成果:イムノクロマトキットを用いた農産物のカドミウム濃度の簡易測定法)イムノクロマトキットを用いたカドミウム(Cd)濃度測定法を各種の農産物(コムギ、ダイズ、ホウレンソウ、サトイモ、ナス)に適用するために、それぞれの品目に適した前処理や抽出法などを開発した上で室間共同試験を実施し、妥当性を確認した。食品中のカドミウム濃度の国際基準値が定められ、コメよりCd国際基準値が低く様々な夾雑物を含む畑作物について、高額分析機器を保有しない農業普及機関などが利用できる簡易な測定法が求められているが、本手法はこれに対応するものである。 |
| カテゴリ | 簡易測定 管理システム さといも 省力化 水田 なす ほうれんそう モニタリング |