| 課題名 | カラシナ等植物の鋤き込み土壌における嫌気性微生物の消毒効果における評価 |
|---|---|
| 課題番号 | 2009012991 |
| 研究機関名 |
(独)農研機構 国立大学法人山形大学 |
| 研究期間 | 2009-2013 |
| 年度 | 2009 |
| 摘要 | 土壌還元消毒モデル実験系を用いた土壌中の細菌群集構造の解析では、ポット実験により、植物無添加、カラシナまたはフスマ鋤き込み条件で畑土壌を還元処理して密閉し、30℃で18日間保温した(徳島県農業研究所)。これより3日おきに採取した土壌試料からDNAを抽出し、細菌の16S rDNAのV3領域に基づくPCR-DGGE法により土壌細菌群集構造の変化を調べた。無添加土壌では処理期間を通して群集構造の大幅な変化は確認できなかった。しかし、カラシナまたはフスマ鋤き込み土壌では処理開始後すぐに両土壌に共通のいくつかの細菌グループが増加し、さらに処理後半には、用いた材料毎に異なる別のグループが増加することが確認された。選択した5試料について、細菌の16S rDNAに基づく詳細なクローン解析を行った結果、植物鋤き込み土壌では、元の畑土壌では検出できなかったFirmicutes門細菌、特に嫌気性細菌であるClostridium属細菌関連の系統が圧倒的に優占する群集構成へと大きく変化し、これが処理の最終段階まで続くことが明らかになった。クローン解析によって検出されたClostridium属関連の主要な細菌と類縁に位置づけられる既知の種の特徴等を基に、処理土壌中で優占して増殖してくる細菌の土壌消毒における機能を推定することが可能になった。 カラシナの嫌気的分解系等からの嫌気性細菌の分離とその特徴では、上記のポット実験のカラシナ鋤き込み土壌等を微生物源として接種し、試験管内の培地に乾燥カラシナ、フスマまたはエンバク等を添加して嫌気的に保温し、各植物バイオマス分解細菌の集積と分離を行った。カラシナは嫌気保温により、エンバクやフスマに比べ極めて容易に分解され、保温後の培養液中には高濃度の酢酸や酪酸と共にインドールが検出された。これより分離した菌株の中には酢酸や酪酸と共にインドールを生成するClostridium属関連と思われる嫌気性細菌株が多く含まれていた。酪酸やインドールは植物病原性微生物に対する抗菌効果があるとの報告もあり、カラシナ嫌気分解系にはそのような機能を持つ培養可能な細菌が増殖してくることが明らかになった。 以上のように、本研究により、植物資源によるバイオフューミゲーション技術の発展にとって基礎的で重要な知見を得ることができた。 |
| カテゴリ | からしな 乾燥 土壌消毒 |