課題名 | 温湯散布による施設イチゴの農薬使用量削減と保鮮技術の確立 |
---|---|
課題番号 | 2009014196 |
研究機関名 |
(国)茨城大学 茨城県(農業総合センター) (独)理化学研究所 カンプロ(株) 茨城県工業技術センター |
研究期間 | 2008-2010 |
年度 | 2009 |
摘要 | (1)温湯発生装置については、温湯配管の改良により速やかな散布温度設定が可能になり、散布装置についても、散布ノズルの配置と個数の設定自由度が向上し、温湯散布条件の設定が容易になった。(2)炭疽病、灰色かび病、うどんこ病の各伝染源を用いた間接接種法により温湯散布の効果を検討したところ、約7日間隔で55℃、20秒の温湯散布を行うことにより、いずれの病害も発病が抑制された。高設栽培のイチゴに対し、53~55℃の温湯を1週間間隔で散布したところ、散布時間を20~40秒/株とすることで、うどんこ病の葉、果こう部および果実での発病が、散布時間が長いほど抑制された。散布時間が長い試験区で灰色かび病の発生が多い傾向であったが、1月上旬からハウス換気を行うことで発病は抑制された。温湯散布による植物体への熱害は、50℃、30秒以下の処理条件であれば考慮すべき影響はなかった。この温度条件では灰色かび病、炭疽病菌の生育に直接的におよぼす影響は微弱であった。なお、非化学合成農薬との併用試験は組み立て実証試験中で検討した。(3)脂肪酸グリセリド剤は温湯散布の翌日散布とした。10月2日より7日ごとに調査,処理を行った。うどんこ病については温湯のみで温湯+脂肪酸グリセリド、慣行防除と同等の抑制効果が認められた。しかしハダニ類に対しては十分な効果が認められなかった。温湯散布による収量減は認められなかった。茨城園研でもうどんこ病に対して同様の結果が得られたほか、オンシツコナジラミ成虫の葉裏への寄生抑制が認められた。 |
カテゴリ | 病害虫 いちご うどんこ病 炭疽病 農薬 防除 |