課題名 | 作業の高速化による高能率低投入水田輪作システムの確立 |
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課題番号 | 2011017501 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,東北研,水田作 (独)農業・食品産業技術総合研究機構,北農研,水田作 (独)農業・食品産業技術総合研究機構,東北研,生産基盤 |
協力分担関係 |
宮城大学・食産業学部 農業工学研究所・農地基盤工学研究領域 鋤柄農機株式会社 ジェイカムアグリ |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2011 |
摘要 | グレンドリルやチゼルプラウ等を活用した高能率な大規模水田輪作システムに関しては、a)条間25cmの真空播種機を開発し、水稲、ナタネが高精度に播種できることを明らかにした。また、試作したチゼルプラウシーダはタインの付加により砕土率を向上でき、高能率なナタネの播種が可能であった。b)黒ボク土においてプラウ耕鎮圧体系の乾田直播圃場で適正減水深を得るための、鎮圧時の最適な土壌水分条件を明らかにし、段階的鎮圧法を開発した。c)5年間の現地実証試験に基づき、プラウ耕・グレンドリル播種方式の寒冷地向け水稲乾田直播体系においては、10a当たり労働時間が約6時間で、平成22年産東北平均の約1/4であった。また、直播適性の高い「萌えみのり」を用いることで、600kg/10a程度の収量が得られ、60kg当たり費用合計は平成20年度東北平均に対して46%削減できることを明らかにした。d)地下水位制御等を活用した水稲、ダイズ等の生産性の評価については、代かき同時直播水稲栽培の収量は地下水位0cm(地表面)に水位制御した場合に低下し、一方、ダイズ栽培では、-35cmに地下水位を制御した場合で莢数増加により26%の増収効果を確認した。しかし、大潟村の地下水位制御システムの実証圃では、地下水位処理区(-30cm区と-50cm処理区)間で、ダイズの全刈・坪刈収量に有意差は認められなかった。e)北海道における直播き適性品種「ほしまる」の乾田直播栽培については、「ほしまる」の目標収量を500kg/10aとしたときの目安となる生育指標は穂数750本/m2、籾数27千粒/m2であり、それには、苗立ち本数150本/m2以上、幼穂形成期の窒素吸収量4~5kg/10a、茎数で850本/m2程度の生育を確保する必要があることを明らかにした。 合理的な資材の投入による土壌管理技術及び雑草管理技術に関しては、a)乾田直播現地実証圃場の合筆圃場において、土壌情報に基づく補正施肥の効果を検証し、補正施肥にはGPSアシストのタブラーの利用により、施肥精度の向上を実現した。また、土壌断面画像のRGB値を解析し、G値が最も土壌有機物含量と相関が高いことを明らかにした。b)水稲湛水直播栽培において、播種1ヶ月後からの深水管理によりタイヌビエなどの雑草の発生・生育を抑制でき、慣行の除草剤2回処理体系から除草剤使用回数を低減した「深水管理を組み入れた除草剤1回処理による除草体系」の有効性を示した。c)堆肥・肥料多施用条件下において、後期追肥と適期薬剤防除を組み合わせることによって、減農薬飼料米栽培の可能性を示した。d)飼料用米「べこあおば」は11.2株/m2の疎植栽培、家畜ふん堆肥3.6t/10a施用、窒素施肥量10kg/10a以上で粗玄米重がほぼ950kg/10a以上となり、慣行の21.2株/m2とほぼ同等となることを示した。 このほか、震災対応として、電磁探査法による簡易かつ迅速な土壌電気伝導度測定手法を確立するとともに、広域な海水浸水農地の調査を行うために、市販の土壌ECセンサを用いた土壌ECの簡易測定方法を開発した。 |
カテゴリ | 病害虫 肥料 簡易測定 乾田直播 管理技術 雑草 GPS 直播栽培 除草 除草剤 飼料用米 水田 施肥 大豆 低コスト 土壌管理技術 なたね 農薬 播種 品種 防除 水管理 薬剤 輪作 |