細菌・寄生虫感染症成立の分子基盤の解明と診断・防除のための基盤技術の開発

課題名 細菌・寄生虫感染症成立の分子基盤の解明と診断・防除のための基盤技術の開発
課題番号 2011017574
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 (独)農業・食品産業技術総合研究機構,動衛研,細菌・寄生虫
協力分担関係 モントリオール大
東京大
大阪大
東京医科歯科大学
鹿児島大学
帯広畜産大学
大阪府立大学
USDA
研究期間 2011-2015
年度 2011
摘要 より特異性が高く現場で簡便に診断できる手法の開発と侵入防止対策に関しては、a)ヨーネ病の検査体制・防御技術の高度化のために開発したヨーネ病診断キットの試作品について、1年間の保存安定性が確認されたことから、年度内に薬事法に基づく製造承認を申請(薬事申請)する予定である。b)ヨーネ病リアルタイムPCR(qPCR)検査の野外応用試験において得られた4,391検体の成績では、qPCRとヨーネ菌培養検査成績の一致率は約90%で発生歴のない清浄農場からの855検体は全て陰性であったことから、qPCRは培養検査成績と高い一致率を示すとともに特異性の高い検査法であることを確認した。 効果的なワクチンや薬剤の開発に関しては、a)ミツバチの腐蛆病の診断・防除法の開発改良については、世界ではじめてMelissococcus plutonius(ヨーロッパ腐蛆病)の全ゲノム配列を明らかにした。これにより、ヨーロッパ腐蛆病の発病機構や本病の診断・予防に関する研究が飛躍的に進展することが期待される。b)原虫特異的な嫌気的代謝経路を遮断する化合物を探索するとともに、鶏や人体に影響のない安全な薬剤を創出する研究において遺伝子レベルと形態レベルで鶏原虫感染症の病原体であるEimeria tenella の侵入型虫体のミトコンドリアの存在を確認した。また、外界発育期と腸管内発育期虫体は低酸素環境下でも生存できることを明らかにした。さらに、呼吸鎖特異阻害剤の暴露によって短時間での殺虫効果があることを確認した。 このほか、細菌感染症の防除技術の高度化に関しては、Streptococcus suis(豚レンサ球菌)のcps2J遺伝子を保有する株のうち、豚髄膜炎由来株では全ての株が莢膜を発現していたのに対し、豚心内膜炎由来株では34%にも及ぶ株が莢膜を失っていることを見出した。莢膜欠損株は莢膜を発現している株に比べて豚及び人血小板に対して高い付着能を有することから、心内膜炎起病性が高い可能性があることをつきとめた。 寄生虫感染症の防除技術の高度化に関しては、マウス背面皮膚を用いた人工吸血系を開発し、フタトゲチマダニの吸血途中から飽血の過程を完全に再現することができた。その生物学的表現型(飽血時体重や産卵能力、卵孵化能力)については、自然飽血マダニとの有意差は認められなかった。
カテゴリ 防除 ミツバチ 薬剤

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