課題名 | (5) 生体分子の構造・機能に関わる情報基盤の整備 |
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課題番号 | 2011017631 |
研究機関名 |
農業生物資源研究所 |
研究分担 |
(独)農業生物資源研究所,農業生物先端ゲノム研究センター,生体分子研究ユニット (独)農業生物資源研究所,農業生物先端ゲノム研究センター,生体分子研究ユニット (独)農業生物資源研究所,農業生物先端ゲノム研究センター,生体分子研究ユニット (独)農業生物資源研究所,農業生物先端ゲノム研究センター,生体分子研究ユニット (独)農業生物資源研究所,農業生物先端ゲノム研究センター,生体分子研究ユニット (独)農業生物資源研究所,農業生物先端ゲノム研究センター,生体分子研究ユニット (独)農業生物資源研究所,農業生物先端ゲノム研究センター,生体分子研究ユニット (独)農業生物資源研究所,農業生物先端ゲノム研究センター,生体分子研究ユニット (独)農業生物資源研究所,農業生物先端ゲノム研究センター,生体分子研究ユニット |
協力分担関係 |
(社)農林水産・食品産業技術振興協会 国立大学法人東京大学 国立大学法人九州大学 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 国立大学法人大阪大学 学校法人近畿大学 国立大学法人京都工芸繊維大学 (株)免疫生物研究所 日清製粉(株) ニットーボーメディカル(株) |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2011 |
摘要 | 1. 昆虫のライフサイクルを制御する幼若ホルモン(JH)のシグナル伝達の分子機構の解明に向け、JH結合タンパク(JHBP)-JH複合体が外部環境の誘電率の低下を感知してJHを放出することを実証した。さらに、構造機能解析の成果を統合することにより、JHBPによるJHの血中輸送(JHシグナル伝達の初期過程)の分子構造メカニズムを解明した。JHとJHBPは昆虫に特有の分子であることから、この分子構造メカニズムの情報を利用することでJHの血中輸送を阻害する物質の精密な設計が可能になり、昆虫への選択性が高く、安全性の高い新規昆虫成長制御剤の開発が加速されると期待される。2. 健康食品やナノ材料など新しい糖質素材として期待されるイソマルトオリゴ糖生成の分子機構の解明に向け、澱粉をデキストランに変換する酵素I(DGase)とデキストランを環化して環状イソマルトオリゴ糖を作る環状化酵素(CITase)の結晶構造を決定した。バチルス菌由来CITaseについては、重合度8の直鎖イソマルトオリゴ糖複合体および環状イソマルトオリゴ糖複合体の立体構造も決定し、触媒反応の分子機構を解明した。さらに、分子構造設計により、高産生変異酵素や重合度選択性の異なる変異酵素の作出など、CITaseの高機能化に成功した。これにより、変異酵素を利用した環状イソマルトオリゴ糖の効率的な生産法の確立に道が拓かれた。3. トマトモザイクウイルス(ToMV)の増殖に必須な宿主因子として、ARL8(ARFファミリーに属する低分子量GTP結合タンパク質)が同定された(中課題2-21参照)。ToMVの複製・増殖の分子機構の解明に向け、ARL8のGTP結合型およびGDP結合型立体構造を決定した。GDP結合型には2種類の構造があり、Mg2+濃度の上昇に伴い、GDP結合型構造からGTP結合型様構造に移行することを見出した 。ARFタンパク質は、細胞内の膜を介した物質輸送において重要な役割を担うことが知られており、ARL8でGTP結合型とGDP結合型の立体構造変化の分子機構が明らかになったことにより、ARFファミリータンパク質の分子スイッチ機能の解明が進むと期待される。また、複製タンパク質のヘリカーゼドメインの立体構造を解析した。この情報によりToMVの複製・増殖の機構解明が大きく進むことが期待される。4. 根粒菌・菌根菌の共生に関与する分子メカニズムの解明に資するために、共通共生因子CCaMKについて(中課題2-23を参照)、計算科学的に構築した天然体および機能獲得型変異体の立体構造モデルを利用してリン酸化残基を中心とする水素結合ネットワークを明らかにした。5. 相互作用因子の探索や機能未知タンパク質の機能特定を効率化するため、生体内低分子化合物の三次元構造データベース(3DMET)の新バージョンRelease2.1 (収録件数 5,920 ・ 8,581件)を平成24年2月6日に公開した (http://www.3dmet.dna.affrc.go.jp/)。 本データベースを活用して有用タンパク質の構造機能解析が進展するものと期待される。6. 遺伝子高速検出システムの構築に関する研究では、イネの系で確立したshort PCRを利用する方法が、48種類の農作物についても原法のまま適用できることを証明した。褐変が顕著なレタス等では、褐変を阻害するシステインを利用することで原法が適用可能であることが分かった。また、病害が生じた栽培中の作物について、感染した病原菌を同様の方法で検出することができた。利用局面の拡大が図られたことで、遺伝子高速検出システムの実用化が期待される。 |
カテゴリ | データベース トマト 輸送 レタス |