課題名 | (2) 昆虫の発生分化・成長制御機構の解明 |
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課題番号 | 2011017633 |
研究機関名 |
農業生物資源研究所 |
研究分担 |
(独)農業生物資源研究所,昆虫科学研究領域,昆虫成長制御研究ユニット (独)農業生物資源研究所,昆虫科学研究領域,昆虫成長制御研究ユニット (独)農業生物資源研究所,昆虫科学研究領域,昆虫成長制御研究ユニット (独)農業生物資源研究所,昆虫科学研究領域,昆虫成長制御研究ユニット (独)農業生物資源研究所,昆虫科学研究領域,昆虫成長制御研究ユニット (独)農業生物資源研究所,昆虫科学研究領域,昆虫成長制御研究ユニット (独)農業生物資源研究所,昆虫科学研究領域,昆虫成長制御研究ユニット (独)農業生物資源研究所,昆虫科学研究領域,昆虫成長制御研究ユニット (独)農業生物資源研究所,昆虫科学研究領域,昆虫成長制御研究ユニット (独)農業生物資源研究所,昆虫科学研究領域,昆虫成長制御研究ユニット (独)農業生物資源研究所,昆虫科学研究領域,昆虫成長制御研究ユニット (独)農業生物資源研究所,昆虫科学研究領域,昆虫成長制御研究ユニット |
協力分担関係 |
(社)農林水産・食品産業技術振興協会 国立大学法人東京大学 国立大学法人九州大学 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 国立大学法人大阪大学 学校法人近畿大学 国立大学法人京都工芸繊維大学 (株)免疫生物研究所 日清製粉(株) ニットーボーメディカル(株) |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2011 |
摘要 | 1. JHシグナリングの分子機構の詳細を明らかにし、JHスクリーニング系の改良に資するために、JH受容体候補遺伝子Met(メソプレントレラント)のパートナー分子の探索を行った。カイコのMetとsteroid receptor coactivator(SRC)を培養細胞系において共発現すると、JH応答能が著しく向上することがわかり、MetはSRCとヘテロダイマーを形成することでJHによる転写を促進することが示唆された。同様に、トビイロウンカ、コナガにおいても、MetとSRCの共発現によるJH応答能の向上が認められ、これらの害虫種でもMet/SRCを利用することでJHスクリーニング系の開発が見込める。2. カメムシ目特異的なJH・抗JH剤の開発に必要な基礎的知見を得るために、チャバネアオカメムシに対するJHSB3アナログの構造活性相関を明らかにした。また、JH生合成酵素反応の解析に有用な試薬(S)-ファルネソール-1-dを合成した。3. トビイロウンカの新規制御剤開発の標的遺伝子を探索するために、ゲノム情報、RNAi法を利用して、遺伝子の同定と機能解析を行った。神経ペプチド遺伝子については網羅的な同定を終了し、その受容体遺伝子についても一部同定した。また、RNAiによる機能解析から、発育阻害に有効な遺伝子を7個明らかにした。そのうち5個は他の昆虫でRNAiによる致死が報告されていない遺伝子であった。また、JH関連遺伝子では、AACT(アセトアセチルCoAチオラーゼ)、 IPPI(イソペンテニルピロリン酸イソメラーゼ)、 Met, Kr-h1(クルッペルホモログ1)等の遺伝子で高い死亡率が得られた。これらの遺伝子はトビイロウンカの新規薬剤開発に有望な標的となるものと期待される。4. トビイロウンカの殺虫剤(イミダクロプリド)抵抗性機構を明らかにするために、次世代シーケンサーを用いたRNA-seqにより、抵抗性系統-感受性系統間で発現遺伝子の比較を行った。その結果、抵抗性系統で高発現する殺虫剤抵抗性の有力な原因遺伝子候補(P450)を見いだした。本成果は、今後、殺虫剤抵抗性トビイロウンカの対抗技術を開発する上で重要な知見となる。5. 昆虫の幼虫の脱皮回数決定機構を明らかにするために、幼虫脱皮回数が少ない突然変異体「二眠蚕(mod)」の原因遺伝子の解明を行った。modはJHを合成せず、その原因遺伝子はJH生合成の最終段階においてファルネセン酸を光学特異的にエポキシ化するP450モノオキシゲナーゼCYP15C1であることを明らかにし、眠性変異体の原因遺伝子を初めて同定した。また本研究により、CYP15C1が新規昆虫制御剤の標的分子として有望なことが明らかになった。6. ハチ目特異的な生殖機構を解明するために、カブラハバチにおいて、哺乳動物で減数分裂進行に関わるとされる遺伝子boule (bol)のホモログをクローニングし、RNAiにより精子の形成が阻害されることを示した。半数体であるカブラハバチでは、哺乳動物とは異なりbolは減数分裂には必要ないが精子形成に必須であることがわかった。7. チョウ目特異的な初期発生機構を解明するために、カイコにおいて体節形成遺伝子otdとcadの発現と機能の解析を行った。カイコにおいてはotdとcadが協調して下流の遺伝子発現を調節していることがわかり、進化的にカイコの体節形成は、原始的な昆虫とショウジョウバエなどの特殊化した昆虫の中間的段階にあると考えられた。 |
カテゴリ | カイコ 害虫 かぶ カメムシ 抵抗性 薬剤開発 |