課題名 | GISを活用した営農改善システムの開発 |
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研究機関名 |
地方独立行政法人北海道立総合研究機構農業研究本部北見農業試験場 |
研究分担 |
生産環境グループ |
研究期間 | 継 、H19~23 |
年度 | 2011 |
摘要 | a 試験目的:既往のGISソフトをベースに、土壌情報、生産履歴等から圃場ごとに問題点の改善メッセージを示し、畑作物の生産性向上のための営農指導に利用できる診断システムを開発する。 、b 試験方法: 、 (a) 診断システムの開発とデータ取得方法の検討:診断システムに必要な情報の精査と入手方法、出力内容を検討する。 、(1)システムの開発(登録項目、診断基準値、診断アルゴリズム、診断メッセージなど)、(2)検討項目(土壌物理性環境の評価、小麦播種適期の設定、土壌硬度や生育量の簡易測定など) 、 (b) 診断システムの活用を想定した生産性較差の検討事例:地域における生産性較差や生産性阻害要因を抽出した事例を示す。(1)試験場所(十勝管内A町、オホーツク管内B町)、(2)対象作物(秋まき小麦、てん菜)、(3)調査項目(土壌理化学性、栽培履歴、収量・品質など) 、c 成績の概要: 、 (a) 道内各地に広く導入されている農業用GIS上で動作する生産力診断システムを構築した。 、 (b) 本システムは、土壌の(1)物理性、(2)化学性、秋まき小麦の(3)生産性、(4)栽培履歴、(5)施肥管理の入力項目からなる1 次情報と、これらの情報をもとに計算・評価した2 次情報を用いて診断メッセージを示し、それらの結果を生産診断カルテ(指導者用、生産者用)として出力する。 、 (c) 作物生産性評価を代表させるものとして秋まき小麦を取り上げ、対象圃場の粗原収量とタンパク含有率の実績を地域平均値と比較し、当該圃場における生産性阻害要因を推定した。こにより、出力する診断メッセージ(初期値)に反映した。 、 (d) B町の事例では、生産者別の秋まき小麦収量とてん菜根重の間には有意な相関が見られ、秋まき小麦を指標作物とした圃場の生産力診断がてん菜にも応用できることが示唆された。 、 (e) A町C地区におけるてん菜の事例では、既往の関係と比較して窒素を多量供給しても吸収が不十分となる例が多く、土壌の透排水性不良が影響していると考えられた。 (f)システムの基本的な利活用の流れは、(1)生産性の低い圃場の抽出、(2)生産診断カルテの出力、(3)改善が必要な項目の確認、(4)土壌理化学性の改善(必要に応じて)、(5)栽培管理の改善であり、普及指導やJAの営農指導において、具体的な改善対策を助言するためのツールとして活用できる。 |
カテゴリ | 簡易測定 小麦 栽培技術 施肥 排水性 播種 |