水稲・麦・大豆等普通作物の栽培に関する素材開発研究 、 、

課題名 水稲・麦・大豆等普通作物の栽培に関する素材開発研究 、 、
研究機関名 長野県農業試験場
研究分担 作物部
研究期間 継H20~24
年度 2011
摘要 1.稲の良質・良食味安定栽培技術の開発
、(1)多収性品種の評価
、目的:飼料用、米粉用、バイオエタノール用など多用途な米の利用が見込まれており、独法で育成された稲発酵粗飼料用品種・系統などについて本県における多収性の評価を行う。
、成果:直播栽培における各品種の耐倒伏性を確認した。「べこあおば」、「モミロマン」、「北陸193号」、「天竜乙女」の栄養生理を解析し、「北陸193号」は乾物生産、同化能力とも優れていることが示唆された。
、「ふくおこし」は多肥、密植の収量増加への影響が小さかった。

、2.良質米の生産コスト低減試験
、(1)栽植密度の低減技術の確立
、目的:高標高地帯の疎植栽培の実用性を検討する。
、成果:農業技術課専技、普及センターと連携し現地試験を行い、適応標高の上限地域において「あきたこまち」、「ひとごこち」は、15株/m2までの疎植栽培が有効であることを明らかにした。
、「美山錦」は慣行栽植密度が適した。疎植栽培によりコスト削減、余剰育苗スペースの活用による規模拡大に有効であった。

、3.気象変動に対する障害回避のための総合技術の確立
、(1)冷害回避のための栽培技術の確立
、目的:水稲作の安定化を図るため、高温障害回避技術を検討する。
、成果:出穂期以降の冷水かんがいにより白未熟粒の発生は軽減したが、胴割れ米発生への影響は判然としなかった。また、白未熟粒の発生は断根により増加し、籾切除により低下することが判明し、また、現地から採種したサンプルや気象要因解析により以下の普及技術を提案した。
、(2)高温障害回避技術の確立
、目的:水稲作の安定化を図るため、高温障害回避技術を検討する。
、成果:無処理ほ場とビニール被覆による高温曝露処理ほ場内において、異なる施肥体系での障害粒の発生の違いを調査した。無処理ほ場に比べ高温曝露処理ほ場では乳白粒率・白未熟粒率・青米率の上昇と整粒率の低下がみられ、高温での白未熟粒発生増加の再現データが取得できた。
、施肥と障害粒発生について検討した結果、基肥・追肥と乳白粒・白未熟粒の関係は小さく、追肥と青米率とで高い相関がみられた。この原因として高温による籾数過多による影響が推察されたが、稲体との収量構成バランスについては、平成24年度からの県プロ試験で実施する。

、4.水稲、麦類の生育状況調査
、目的:気象条件に対応した生育状況を把握し、適正な栽培管理を進めるための資料を得る。また、主要生育期の生育診断に基づき生育予測を行う。
、成果:須坂市では「コシヒカリ」、「あきたこまち」は、平年に比べ茎数は移植後20~30日では下回り、穂数はやや少なく「コシヒカリ」で92%「あきたこまち」では96%であった。成熟期の稈長・穂長は「コシヒカリ」で平年並みであったが、「あきたこまち」ではやや上回った。登熟籾数は平年並みで、登熟歩合は平年を下回ったが、千粒重が平年より大きかったため、収量は平年比で「コシヒカリ」103%、「あきたこまち」98%であった。
、原村では「きらりん」、「ゆめしなの」、「あきたこまち」は、平年に比べ全ての品種で穂数が平年よりも少なかったが、千粒重がほぼ平年並であったため、収量は平年比で「きらりん」98%、「ゆめしなの」104%「あきたこまち」90%であった。
、大麦「ファイバースノウ」、小麦「シラネコムギ」は、越冬に問題無く、幼穂形成は平年並であったが、春先からの低温で大小麦とも出穂は5~7日遅れた。収量は大麦では平年より多く、小麦はやや少なかった。

、5.水稲の雑草防除技術の開発
、(1)除草剤抵抗性雑草の発生生態と防除法の確立
、目的:SU除草剤耐性のオモダカについて県内の発生状況を把握するため、農業改良普及センターを通じサンプル収集、検定を行う
、成果:県内からの塊茎サンプルは、地上部再生法による検定の結果、抵抗性が疑われた。

、6.麦類・大豆の良質・多収安定栽培技術の開発
、(1)有望品種の高品質栽培法
、目的:めん用、パン用小麦品種の安定高品質栽培技術を確立する。
、 大麦の硬質粒の発生原因を検討する。
、成果:パン用小麦「ゆめかおり」は、2回目の追肥量を10a当たり窒素成分で3kgとすると1~3%、5kgとすると2~4%蛋白質含有率が向上することが明らかとなった。大麦の硝子質粒は、穂数が増加すると高くなる傾向がみられた。
、(2)水田転換畑における麦および大豆作の安定栽培技術の確立
、目的:麦類、大豆の連作ほ場を中心に、難防除帰化雑草による被害が拡大しているため、発生生態の解明と防除技術を確立する。また、大豆の減収要因を解明する。
、成果:「ゆめかおり」について、生育指標作りのための検討(施肥方法と生育解析)を開始した。また、追肥量の増加に伴い増収効果が見られた。
、「ハナマンテン」については上伊那の現地において昨年度普及に移した追肥法(止葉展開期~開花期の追肥でタンパク質含有が増加し、高品質が得られる)を適用し、高タンパク化が図られた。
、大麦の硝子質粒は生育量が少なく土壌水分が高い条件では、茎立期追肥量が増すと発生が高まった。
カテゴリ 病害虫 安定栽培技術 育苗 規模拡大 高温対策 高品質栽培技術 コスト 栽培技術 雑草 直播栽培 除草剤 飼料用米 飼料用作物 水田 水稲 生育予測 施肥 大豆 多収性 抵抗性 凍害 品種 防除 良食味

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