課題名 | 麦類における有用遺伝子の同定・機能解明と品種改良に向けたDNAマーカーの開発 TRG1009 小麦粉の色相および製粉性に関する遺伝子の同定 |
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研究機関名 |
地方独立行政法人北海道立総合研究機構農業研究本部北見農業試験場 |
研究分担 |
麦類グループ |
研究期間 | 完 、H23~24 |
年度 | 2012 |
摘要 | a試験目的:「きたほなみ」の良粉色に関与する染色体領域をアソシエーション解析によって同定する 、 b試験方法 、 1)緯度が異なる北見、東北、長野の3箇所で圃場栽培と品質検定試験を行い、アソシエーション解析用分子マーカー基盤の構築を行った。 、 2)「きたほなみ」を片親とした交雑後代の製粉性、粉色の測定を行った。 、 3)本研究で見いだされた遺伝子領域の効果を把握するため、各領域に関する置換系統の開発に着手した。交配2組合せを養成。 、 c 成績の概要: 、 1)品種「パネル」の粉色L*値とa*値は、子実の蛋白含量の影響を強く受けており、L*値とは負の相関(r=-0.706**)、a*値には正の相関(r=0.711**)が認められた。ただし、同一の粉蛋白含量でも、L*値とa*値のばらつきは大きく、品種系統間で粉色に差があることを示している。また、年次・地域により粉色の絶対値は変化したが、供試材料の相対的な序列は大きく変化しなかった。特にa*値とb*値は、供試したいずれの年次地域間でも相関係数は高く、a*値、b*値は、遺伝的要因の関与が強いと言える。一方、粉色L*値は相関がやや低い場合もあり、遺伝的要因に加え環境要因の影響を受けている可能性が高い。 、 2)分離集団サンプルおよび粉色データは、DNA解析のため、東北農研に送付した。 、 3)遺伝子単離に向け交配を行った組合は、2012年9月にF2集団として播種した。 、 4)東北農研でのゲノムワイドアソシエーション解析によって見出された粉の赤み(a*)および製粉歩留に関するマーカーを解析し、粉a*で12個、製粉歩留で15個の検証すべきQTLsを抽出した。また、「きたほなみ」を片親とした複数の分離集団を用いてQTLsを検証したところ、粉a*では5D、6Aおよび7D染色体、製粉歩留では3B染色体に育種上有用なQTLsを見出した。また、粉色a*値は、効果の小さな複数のQTLによって支配されていると考えられる。 |
カテゴリ | 育種 小麦 DNAマーカー 播種 品種 品種改良 |