課題名 | 11 大麦における肥効調節型肥料試験 |
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研究機関名 |
石川県農林総合研究センター農業試験場 |
研究分担 |
作物栽培G |
研究期間 | 完H24 |
年度 | 2012 |
摘要 | 目的:LPコートに代わる緩効性肥料としてセラコートの本県大麦作における適応性を検討する。 、成果:セラコート肥料リニア型タイプのCG40の窒素溶出率は4月上旬まで同タイプのLP40と同程度となり、融雪後追肥期(3月上旬)に約50%であった。4月上旬以降はLP40の溶出率を上回り、穂揃期(5月上旬)に約80%であった。シグモイド型タイプのR30の窒素溶出率は12月下旬以降、同タイプのLPS30を下回った。特に、平年より気温が低い日が多かった12月~3月の溶出率がLPS30と比べて低い傾向であった。節間伸長期以降急激に溶出率が増加し、登熟期(6月上旬)に約84%であった。試験区は慣行区と比べて消雪期~止葉展開期の窒素溶出量が少なく、出穂期以降は多い傾向であった。植物体による窒素吸収量の累積は慣行区と試験区でほぼ同様の経過となった。成熟期では、慣行区、試験区の窒素溶出量、窒素吸収量が全て12kg/10a程度となった。茎数は、生育期間全体を通して慣行区に比べて試験区がやや多い傾向となった。精子実重は、両区とも目標収量(麦茶用)の400ka/10aを上回り、慣行区に比べて試験区がやや多かった。容積重、硝子率は、両区とも目標値(容積重:690g/L以上、硝子率:40%以下)を満たし、良好であった。子実粗タンパク含有率は、慣行区に比べて試験区がやや低かった。以上より、セラコート肥料を配合した大麦用基肥一発肥料は、慣行の一発肥料に比べて大麦の収量、品質に遜色が無かった。しかし、セラコート被覆尿素はLPコートよりも越冬後の春季における窒素溶出量の増加する時期が遅く、特に消雪期における窒素溶出量が少なかったことから、溶出タイプの選択や配合比率について改善する余地が残されていることが示唆された。 |
カテゴリ | 肥料 大麦 麦茶 |