課題名 | 地下水位制御システムを活用した温暖平坦地向け水田輪作システムの確立 |
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課題番号 | 2012020327 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
大下泰生 佐々木豊 |
協力分担関係 |
山形県 新潟県 茨城県 栃木県 愛知県 岡山県 宮崎県 鹿児島県 三重県農業研究所 (有)サンフレッシュ海津 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2012 |
摘要 | 不耕起や浅耕播種技術とFOEASを組み合わせた2年4作、3年5作体系の開発に関しては、関東地域において、a)40PS以上で、けん引力が10kNのトラクターを適用でき、0.43ha/hの圃場作業量で、前作コムギの自脱コンバイン収穫後の麦稈未処理圃場でもダイズ播種を支障なく作業できるチゼル付きダイズ用不耕起播種機を開発した。b)2年4作体系におけるオオムギ-水稲乾田直播の作期競合緩和技術として、オオムギの茎立期前に水稲を間作播種することにより、オオムギで500 ㎏/10a以上、水稲では600 ㎏/10a以上の収量を達成した。また、オオムギ収穫後の水稲晩播栽培では、登熟期間確保のために極早生品種を用いても、収量は400 ㎏/10a程度にとどまることを明らかにした。c)ダイズの湿害対策として、ダイズ播種時に畦間サブソイラを処理し、チアメトキサム・フルジオキソニル・メタラキシルM水和剤の種子塗沫処理を組み合わせることにより、湿害を軽減し、苗立ち数を向上できた。d)水稲乾田直播の播種後に地下灌漑で早期給水すると苗立ち率が向上し、慣行水管理に比べて同等以上の精玄米収量(606㎏/10a)を実現した。水稲作後のコムギ栽培で籾殻補助暗渠を再施工したFOEAS圃場では、子実重560 ㎏/10aが得られ、ダイズでもFOEASによる9月までの給水区で328㎏/10aの収量となり、FOEAS施工費の10%を負担する場合の償却費を含めた生産物60kg当りの生産費は、平成20年対比で68%であることを明らかにした。 東海地域において、a)小明渠浅耕播種機を用いたイネ・ムギ・ダイズ播種時の苗立ち率向上のため、鎮圧ローラの鎮圧力を調整できる支持機構を製作し、鎮圧力を800~1,600Nの範囲で設定できるようにした。b)FOEAS圃場での慣行体系において、水稲の乾田直播栽培は634 kg/10a、コムギは515 kg/10aの多収を達成した。ダイズの狭畦栽培では336 kg/10aの収量となり、FOEAS施工費の10%を負担する場合の償却費を含めた生産物60㎏当たりの生産費は、平成20年対比で56%を実現した。c)作溝、畦形成ユニットを装着した小明渠浅耕播種機による水稲-コムギ-ダイズの2年3作輪作体系では、湿害を軽減することでコムギ、ダイズの収量が慣行と同等以上となり、慣行体系に比べて作業時間を57%、生産物60kg当りの生産費を43%削減できることを明らかにした。3年5作体系における2作目コムギでは、12月播種の晩播になることから、11月播種の標播に比べて成熟期が1~6日遅れ、収量も300㎏/10a台の低収になることを明らかにした。 合理的な資材の投入による土壌管理技術及び雑草管理技術に関しては、a)水稲-ムギ-ダイズ輪作体系におけるコムギ作前の牛ふん堆肥施用は、コムギ作と後作ダイズの生育量と収量の増大をもたらし、水稲作直前の培養無機化窒素量を2.0g/㎡程度にすることで「コシヒカリ」の倒伏抑制と高収量を確保できることを明らかにした。b)水稲-ムギ-ダイズ3年4作輪作体系において、ダイズ圃場の雑草発生の少なかった圃場が3年後も同程度となる確率は26%であり、前回雑草発生が無かった圃場の87%の圃場で埋土種子が検出されることから、防除圧を下げると雑草が多発するリスクが高まることを明らかにした。 |
カテゴリ | 病害虫 FOEAS 乾田直播 管理技術 狭畦栽培 雑草 湿害 水田 大豆 低コスト 土壌管理技術 播種 品種 防除 水管理 輪作 輪作体系 |