中小規模水田に対応した生産性向上のための輪作システムの確立

課題名 中小規模水田に対応した生産性向上のための輪作システムの確立
課題番号 2012020328
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 奥野林太郎
協力分担関係 (株)夢ファーム
スガノ農機(株)
JA世羅営農センター
北海道立総合研究機構
島根県農業技術センター
岡山大
県立広島大
広島県立総合技術研究所
(農)くろぶち
研究期間 2011-2015
年度 2012
摘要 節水型の水稲直播とムギ、ダイズの簡易耕を利用した中小規模水田の省力輪作体系の開発に関しては、a)FOEAS圃場におけるムギ後水稲乾田直播栽培について、地下水位を-15cmに保った節水処理では、慣行栽培よりは減収であったものの、節水区においても粗玄米収量で842kg/10aの収量が確保できることを示した。b)地下水位が高ければ、ムギに対する地下灌漑の効果は期待できないことを明らかにし、水稲後のコムギは、弾丸暗渠の再施工と汚泥発酵肥料の施用により794kg/10aの収量を達成した。c)ダイズ生育初期苗に認められた腐敗・立枯性の異常がPythium属菌による病害であることを立証し、P. myriotylumと同定した。本病害を制御するには、FOEASにより過剰な停滞水を排除し、種子処理剤のチアメトキサム・フルジオキソニル・メタラキシルM水和剤の併用がさらに有効であることを明らかにした。
d)コムギの部分耕播種は全面耕起同時播種に比べ追肥以降の生育が劣り、地上部全重で12%、タンパク質収量で17%低下することを明らかにした。e)FOEAS圃場においてダイズの部分耕播種による狭畦無培土無施肥栽培の現地試験により、全刈り収量で対照区と同等の289 kg/10aを達成した。また、小区画での試験においてはFOEASの導入により50%以上の多収が可能であることを明らかにした。f)FOEASを利用したダイズの現地試験で、平成20年統計値との比較において約2万円の現地FOEAS施工の償却費を含めても60kg当たり費用合計で39%減、10a当たり労働時間は46%減となることを明らかにした。g)水稲の乾田直播栽培の少量播種技術を開発するため、1粒播種率68%の1粒播種ロール、欠播なしの3粒播種ロールを試作して現地試験を行い、小雨時の出芽不良、除草剤適期散布、品種選定等に改善の必要性を認めた。h)ダイズの青立ちに関して、ミナミアオカメムシの加害能力はホソヘリカメムシより高い傾向にあることを明らかにした。i)中小規模水田で多労となる畦畔法面の雑草管理において利用が期待されるシバについて、造成年のシバ被度の拡大には床土の導入が有効であること、7月における除草は、刈取り、除草剤の茎葉処理のいずれもシバ被度の拡大への影響がほとんどなく、実施可能であることを明らかにした。
このほか、a)無代かきは鉄コーティング種子の湛水直播において出芽時の滞水部の発生を回避する方策として有用であり、苗立ちが安定することを明らかにした。b)活性化種子では、浸種後に短時間で種子内α-アミラーゼ活性及び水溶性糖濃度が増加し、種子から子葉鞘へ糖供給を高めており、このことが鉄コーティング種子の出芽、苗立ちの促進に寄与していることを明らかにした。
カテゴリ 病害虫 肥料 FOEAS カメムシ 乾田直播 雑草 出芽不良 除草 除草剤 水田 水稲 施肥 大豆 低コスト 播種 品種 輪作 輪作体系

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