課題名 | 水田・飼料畑・草地の高度利用を促進する飼料作物品種の育成 |
---|---|
課題番号 | 2012020346 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
佐藤尚 田瀬和浩 藤森雅博 桂真昭 |
協力分担関係 |
北海道立総合研究機構 岩手県農業研究センター畜産研究所 青森県産業技術センター畜産研究所 雪印種苗 宮城県畜産試験場 ホクレン農業協同組合連合会 かずさDNA 研究所 ロシアウイリアム飼料作物研究所 ブルガリア山地家畜育種・農業研究所 (独)家畜改良センター |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2012 |
摘要 | 耐湿性トウモロコシに関しては、「ゆめそだち」、「ゆめちから」の種子親系統である「Mi29」に、それぞれ不定根形成能QTL及び通気組織形成能QTLを導入した親系統を作出し、これを用いた耐湿性検定用の「ゆめそだち」、「ゆめちから」のF1種子を得た。 寒地・寒冷地向け高糖含量オーチャードグラスに関しては、中生高糖含量系統「北海30号」及び「北海31号」の地域適応性試験を行い、乾物収量は両系統とも標準品種「ハルジマン」並であることがわかった。また、「ハルジマン」と比較して、糖含量は「北海30号」が4.2ポイント高く、「北海31号」が2.5ポイント高いことがわかった。サイレージの発酵品質(Vスコア)は「北海30号」が概ね高く、「北海31号」がやや高いことがわかった。 地域条件に対応した品種の育成に関しては、a)暖地向け晩播用早生トウモロコシでは、生産力検定試験において「九交156号」及び「九交157号」とも標準品種「3470」より1週間以上早生でTDN収量はほぼ同等であることがわかった。宮崎県と鹿児島県における地域適応性試験では、「九交156号」及び「九交157号」は「3470」に比べ、それぞれ6、7日早生で、TDN収量は同等以上であることがわかった。b)寒地向け晩生アカクローバでは、「北海16号」及び「北海17号」の地域適応性試験等を行い、チモシー中生品種との混播でマメ科率を安定して維持でき、耐寒性が優れ、主要病害に対する罹病程度も低い「北海17号」を品種候補として提案することとした。c)寒冷地向けフェストロリウムでは、「那系1号」、「那系2号」及び「東北4号」の地域適応性試験等を行い、越夏性、冠さび病抵抗性に優れ、寒冷地から温暖地を適地とするフェストロリウム「那系1号」を品種候補として提案することとした。 革新的な飼料作物の開発に関しては、a)フェストロリウムの越冬性向上のための育種素材として、複二倍体フェストロリウムへのペレニアルライグラスの戻し交雑によりBC2集団を作出し、土壌凍結地帯の検定圃場に移植した。また、二倍体イントログレッション集団の解析により、メドウフェスク由来7番染色体の一部の移入が越冬性関連形質に正に作用することを示した。また、高永続性の育種素材の開発のため、越夏後草勢に優れる150個体を選抜した。b)トウモロコシワラビー萎縮症抵抗性QTLを導入した準同質遺伝子系統の抵抗性を幼苗検定により調査し、第7染色体のQTLと第8染色体のQTL導入系統で「Mi29」より有意な効果が見られたが、抵抗性品種「SH5937」並の抵抗性を示す系統は見出せなかった。 このほか、a)高消化性遺伝子と紫斑点病抵抗性を持ち、再生性に優れ、年間乾物収量が高い、暖地・温暖地に適する中生のソルゴー型ソルガム「SUX109-1」を品種候補として提案することとした。b)耐倒伏性とごま葉枯病抵抗性に優れ、組合せ能力が高いトウモロコシの中生の晩のデント種一代雑種品種「Mi106」について、社団法人がF1品種の親として利用する計画があることから、品種候補として提案することとした。 |
カテゴリ | 育種 寒地 ごま 飼料作物 水田 耐寒性 耐湿性 抵抗性 抵抗性品種 とうもろこし 品種 |