乳牛の泌乳曲線平準化を核とする省力的な群管理技術の開発

課題名 乳牛の泌乳曲線平準化を核とする省力的な群管理技術の開発
課題番号 2012020363
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 早坂貴代史
協力分担関係 家畜改良事業団
家畜改良センター新冠牧場
雪印種苗北海道研究農場
北海道酪農検定検査協会
十勝管内農協
研究期間 2011-2015
年度 2012
摘要 泌乳曲線を平準化するための牛群改良手法の開発に関しては、a)泌乳持続性の改良効果について、100SNP(一塩基多型)を用いて解析したところ305日乳量、乳脂量、乳タンパク質量の3形質に関して第14染色体の先頭位置に高度に有意なゲノム領域を見出した。さらに20 SNPを用いたゲノミック行列を用いて解析を行ったが、全SNPを用いて推定した育種価と特定領域の20SNPを用いて推定した育種価間の相関が大きく異なったことから、形質間の遺伝相関は全染色体と特定の染色体領域で異なる可能性を示した。b)日乳量に対する体細胞スコア(SCS)の効果は、SCSの高さでクラス化するモデルによる推定が妥当であることを示した。SCSの上昇に伴う日乳量の低下は、初産及び2産ともに泌乳前-中期、後期及び末期の3区分で異なるため、それぞれ区分して推定する必要があることを示した。
泌乳期の栄養生理指標に関しては、泌乳期の乳腺組織において骨形成タンパク質(BMP)リガンド及びBMP受容体の発現が抑制されたことから、BMPシグナルは乳腺上皮細胞の乳合成に対し抑制的に働くことを推察した。
省力化牛群管理技術に関しては、a)乾乳期間30日程度までの短縮により、分娩前2週から分娩後4週の期間中に、リンパ球数が高く推移する傾向を示したが、分娩前後の免疫指標の変動に大きな影響を与えないと推察した。b)フリーストール飼養牛の血液代謝成分である遊離脂肪酸、血糖、尿素窒素、総コレステロール、GOT、γ-GTP、Ca、iPを解析し、泌乳曲線平準化牛は泌乳初期の遊離脂肪酸が低い傾向を示した。c)泌乳曲線平準化牛は、非平準化牛に比べ、長い空胎日数と高い泌乳持続性、長い搾乳日数と分娩間隔及び短い乾乳日数により、総乳量が多くなる特性を見出した。d)200頭以上の規模階層は、それ未満の階層に比べ、初産牛で最も泌乳曲線が平準化し、2、3産牛で最も高ピーク低持続型泌乳曲線を示した。305日・総乳量は、畑作酪農中核地域が、草地酪農中核地域よりも多い傾向を示した。また、フリーストール牛舎導入率が高い地域ほど、分娩間隔が短く、305日・総乳量が高く、ピーク乳量日が遅れ、初産牛はさらに泌乳曲線が平準化傾向を示した。
このほか、a)在群期間に関する育種価推定のために用いる形質の最適な組み合わせを検討し、在群期間、乳量、体細胞スコア、肢蹄、胸の幅、鋭角性、乳房の懸垂、乳房の深さ及び前乳頭の配置を含めたとき、在群期間推定育種価の信頼度が最大となることを示した。
カテゴリ 育種 管理技術 飼育技術 省力化 乳牛 繁殖性改善

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