成熟期の異なる良食味のカンキツ品種の育成と省力生産技術の開発

課題名 成熟期の異なる良食味のカンキツ品種の育成と省力生産技術の開発
課題番号 2012020374
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 吉岡照高
深町浩
協力分担関係 九州大
研究期間 2011-2015
年度 2012
摘要 食べやすく、機能性成分を含み、成熟期の異なる良食味のカンキツ品種の育成に関しては、a)「興津58号」及び「口之津50号」が、品種登録出願公表され、それぞれ「あすみ」、「みはや」と命名された。「興津60号」、「興津62号」、「興津63号」、「興津64号」及び「興津66号」は、試験継続とした。「興津59号」、「興津61号」、「興津65号」は、試験中止とした。新たに、「口之津51号」、「口之津52号」、「興津67号」の系統適応性検定試験を開始した。b)12月に口之津拠点と興津拠点と合わせて2,620個体について果実を調査し、新たに19個体を注目個体として予備選抜した。また、β-クリプトキサンチン高含有系統を1個体予備選抜した。
省力・低コスト安定生産技術の開発に関しては、a)樹形を双幹形に改造することで、せん定時間は4割近く短縮され省力効果は大きいことを示した。また、強樹勢の高糖系ウンシュウでは主幹形で収穫作業時間の減少割合が大きく収穫作業の省力効果を認めた。b)果実加工向け品種「かんきつ中間母本農6号」の引きもぎ収穫特性をみると、果梗枝の引張強度は「青島温州」より大きいが、引きもぎ収穫での損傷果の発生は少ないことが明らかとなった。c)「かんきつ中間母本農6号」の貯蔵性試験を山口県農林総合技術センター、愛媛県農林水産研究所と連携して行い、慣行防除区と省力防除区の腐敗果率の差は小さいこと、引きもぎ収穫を行っても腐敗果率は1割以下であることを確認した。d)花成誘導条件(15℃曝露)下にあるウンシュウミカン樹において、早期の、あるいは大量の摘葉は花成制御遺伝子CiFTの発現を抑制し、その傾向は花成と一致していることを明らかにした。e)果実生育前期の水分ストレス付与がCiFT遺伝子発現を増加させ、翌春の花芽を増加させる(新梢の減少による相対的な花芽の増加)ことを明らかにした。f)「せとか」の果実軟化症について、光合成産物の転流が果梗部で停止していることを確認した。また、ハウス栽培下での発生率と発生部位を継続調査している。g)ウンシュウミカンにおいて、3月から2℃程度気温が上昇した場合、生育ステージは早まるが、生理落果後の着果率に差はないことを示した。なお、平成24年は11月上中旬の気温が低く推移したため、2℃高温区でも浮皮の発生が見られず、気温上昇による影響は判然としなかった。
このほか、カンキツのサンプル葉を突いた爪楊枝を改良型のPCR反応液又はTE0.2バッファに浸すことで、ダイレクトPCR又は超簡易DNA抽出を行うことができる方法を開発した。
カテゴリ 温州みかん 加工 機能性成分 低コスト 品種 防除 良食味 その他のかんきつ

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