高商品性リンゴ等品種の育成と省力生産技術の開発

課題名 高商品性リンゴ等品種の育成と省力生産技術の開発
課題番号 2012020376
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 阿部和幸
伊藤祐司
研究期間 2011-2015
年度 2012
摘要 着色性、病害抵抗性等が優れ、良食味の育成に関しては、a)第6回系統適応性検定試験供試5系統の中で「盛岡70号」と「盛岡71号」が優れた果実特性を示した。b)リンゴで39組合せの交雑を行い、合計1,194の交雑果を獲得した。平成23年度まで未結実又は継続検討と判定されていた1,211個体の果実特性を調査して、果肉が赤く着色する特徴を有し生食・加工兼用種として利用可能な2個体を種苗登録候補として二次選抜した。c)実生797個体を用いて斑点落葉病罹病性遺伝子Altのファインマッピングを行い、0.4cMの領域にAltを位置づけた。d)「王林」に由来する斑点落葉病罹病性遺伝子Alt-2をリンゴ第11連鎖群の上部にマッピングして、この領域が「スターキング・デリシャス」由来の罹病性遺伝子Altやニホンナシ黒斑病感受性遺伝子Aの座乗する領域と相同であることを明らかにした。e)「恵」に認められる部分的自家和合性が後代に遺伝することを明らかにした。f)リンゴ果実の酸含量の遺伝が主働遺伝子と微働遺伝子の両方が関与する混合モデルによく適合することを明らかにして、主要品種における主働遺伝子座の遺伝子型を決定した。g)「もりのかがやき」果実は甘くフルーティな香調を示すエステル類の含有量が高いことを明らかにした。h)次回系統適応性検定試験の候補のブルーベリー3系統について果実特性を調査したところ、同時期の既存品種と比較して食味が良好であった。i)ブルーベリーで7組合せの交雑を行って合計223の交雑果を獲得した。平成23年度まで未結実又は継続検討と判定されていた実生のうち596個体の果実特性を調査して、7個体を新たに注目個体として選抜するとともに、果実形質の劣る413個体を淘汰し、計2,081個体を継続検討とした。j)ブルーベリー近縁野生種オオバスノキとブルーベリー栽培種との種間交雑では栽培品種によって交雑親和性が大きく異なることを明らかにした。k)大果で食味が優れる早生セイヨウナシ新品種「ジェイドスイート」を育成して農林認定申請した。セイヨウナシ第2回系統適応性検定試験の供試系統として、果実が大きく品質の良好な「札幌4号」、「札幌5号」、「札幌6号」の3系統を選抜した。l)セイヨウナシで5組合せの交雑を行って合計433の交雑種子を獲得した。平成23年度まで未結実又は継続検討と判定されていたセイヨウナシ実生348個体と一次選抜9個体の果実特性を調査して、果実形質の劣る9個体を淘汰し、計1,553個体を継続検討とした。
リンゴの着色・着果管理等の省力・軽労化を図るための摘葉技術等の要素技術の開発に関しては、a)果皮のアントシアニン濃度には品種間差があり、収穫2週間前から濃度の高い「あかね」などの品種群、収穫2週間前から収穫期にかけて急激に濃度が上昇する「さんたろう」などの品種群、収穫期にも濃度が低い「ふじ」などの品種群に大別できることを明らかにした。b)「つがる」では収穫2か月前の早期摘葉処理が着色向上に効果的であることを明らかにした。また、摘葉処理は果実の着色を向上させる一方、果実重や糖度に及ぼす影響は小さいことを明らかにした。c)摘花・摘果作業省力化を達成する上で、開花後早い時期の花そう内花数が3花以下であることが有効な指標となることを明らかにした。d)摘花剤と摘果剤を併用することにより、薬剤摘果を行わない場合に比べて摘果時間を37~38%短縮できることを明らかにした。e)花成誘導遺伝子のシロイヌナズナTSF遺伝子やリンゴMdFT2遺伝子を導入した組換えリンゴは早期開花するものの、雄ずいと雌ずいの発達が不完全となることを確認した。f)着色関連遺伝子であるアントシアニジン合成酵素遺伝子ANSを含む断片を単離した。ANSプロモーター::GUSを導入した形質転換体に対する低温処理及び強光処理はANSの発現を誘導しないことを確認した。g)リンゴの単為結実に関与する花器官形成遺伝子MdPIを抑制した組換えリンゴを作出した。
このほか、リンゴ台木の重要形質解析の基盤として利用可能な、わい性台木「JM7」とミツバカイドウ「サナシ63」の連鎖地図を構築した。
カテゴリ 加工 軽労化 省力化 新品種 台木 病害抵抗性 品種 ブルーベリー 薬剤 良食味 りんご

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