課題名 | 水稲の病害抵抗性の持続的利用技術の開発 |
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課題番号 | 2012020387 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
鈴木文彦 |
協力分担関係 |
愛知農総試 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2012 |
摘要 | 抵抗性候補遺伝子の構造解析及び抵抗性遺伝子等の発現パターンの解析に関しては、a)葉いもち圃場抵抗性遺伝子Pi34の候補遺伝子の完全長cDNAの構造を明らかにした。さらに、本候補遺伝子の発現抑制組換え個体(T1世代)では、葉身における抵抗性の低下を確認した。b)いもち病菌の胞子懸濁液(106個/ml)の4葉期イネ葉身(浸種後18日目)への噴霧接種が量的抵抗性の評価に最適であることを明らかにした。最適化した接種条件を用いて、感染時における遺伝子発現をSuperSAGE法により網羅的に解析し、量的抵抗性反応に伴って発現が増減する760個のタグを得た。c)病斑形成関連遺伝子をターゲットとしたマイクロアレイ解析により、29,142遺伝子の経時的な転写変動のマイクロアレイデータを得た。d)イネ縞葉枯病抵抗性のStvb遺伝子座において保存性の高い配列の存在を明らかにした。 新規穂いもち抵抗性交配後代の育成及び穂いもち抵抗性関与QTLの解析に関しては、a)穂いもち圃場抵抗性強品種「宮崎もち」と同弱系統「び系22号」の間で多型を示す新規マーカー7個を獲得した。これら新規マーカーを加え、宮崎もち/び系22号交配集団(F6系統)のQTL解析を実施し、第11染色体長腕上の約5.8Mbpの領域が抵抗性に関与していることを推定した。b)F6系統に「び系22号」を2回戻し交配して得た後代49系統を用いて座乗領域の絞り込みを行った結果、約5.8Mbp領域内には作用力の大きいQTLが複数存在する可能性を見出した。c)育種への利用をはかるため、強圃場抵抗性を示したF7数系統に「び系22号」、「コシヒカリ」及び「あきたこまち」を各2回戻し交配を行った。また、「宮崎もち」と「コシヒカリ」のF1に「コシヒカリ」を4回戻し交配し、10系統を採種した。 いもち病圃場抵抗性の異なるイネ品種間におけるいもち病菌の個体群変動の比較に関しては、a)Pot2 rep-PCR法とSSR法による2か年のデータ解析から、いもち病菌集団の遺伝的多様度の差異と世代経過後の変化は、コシヒカリと量的抵抗性遺伝子(Pi34又はpi21)を保有するイネ品種間においてともに小さいことを示した。b)各品種上のいもち病菌集団の選択係数を評価した結果、量的抵抗性遺伝子導入品種がいもち病菌集団に及ぼす選択圧への影響は、「コシヒカリ」と同程度であると推察した。 |
カテゴリ | 病害虫 育種 いもち病 害虫 雑草 縞葉枯病 水稲 抵抗性 抵抗性遺伝子 農薬 病害抵抗性 品種 防除 |