IT等の利用による精密・低コスト大規模農業のための基盤技術開発及び体系化

課題名 IT等の利用による精密・低コスト大規模農業のための基盤技術開発及び体系化
課題番号 2012020396
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 澁谷幸憲
協力分担関係 (地独)道総研工試
(地独)道総研十勝農試
(株)クボタ
ヤンマー(株)
井関農機(株)
三菱農機(株)
松山(株)
小橋工業(株)
(株)やまびこ
(株)IHIスター
研究期間 2011-2015
年度 2012
摘要 トラクタと作業機間の標準となる共通通信制御技術の開発に関しては、a)農業機械の通信制御の国際標準であるISO11783で規定した端末での情報入出力を可能とするようソフトウエアライブラリ(ISO11783プロトコルスタック)の機能を拡張した。情報表示・操作用端末への画面表示機能を実装するとともに、通信の信頼性向上に関する改良を行った。b)トラクターと作業機との通信用として通信制御用コネクタを装備していないトラクターや作業機に後付け可能なECU用の共通化ハードウエアの改良試作を行いその動作や性能を評価するとともに、トラクターECU及び作業機ECUを開発した。c)トラクター・作業機メーカー13社等と連携して農業機械における通信制御共通化技術の開発を実施し、国際標準に準拠したデータ通信・制御をより簡易な2ピンの接続コネクタを適用して行うことを提言した。本提言は日本農業機械工業会規格として制定され、対応する農業機械も市販された。
作業機から得られる情報(生育情報、作業情報等)と生産履歴等の蓄積情報の統合処理に関しては、a)小型無人飛行機を用いた低空からの空撮により、バレイショ圃場のモニタリングを行った。1か月にわたる時系列画像から、作物情報の例として疫病の発生検知、病害の進行状況を判読したところ、実際の発生状況と対応しており、本モニタリングが有効であることを確認した。b)これまでに開発して北海道内の8農協に導入されている生産履歴システムを、異なるサーバ間でもデータを取得できるように再設計した。これにより、他のシステムと複数のWebサービスなどが、あたかも一つのWebサービスのように機能させることが容易に行えるようになった。c)ファックス紙に記載された帳票データから文字データを識別して読み込み電子データに変換するシステム(FaxOCR)やスマートフォン、タブレットPC用の農薬閲覧サービスを開発し、生産履歴システムと別ドメインに設置しても連携できるようにした。d)栽培履歴等の情報活用について、農協連や農協、生産者に対してアンケート調査を行い、栽培履歴等の情報は単収向上や生産計画、従業員管理の改善に寄与するが、資材投入量削減への効果は小さいこと、高精度の情報収集や、正確な作業遂行によるムダ削減への効果が期待されることを明らかにした。
最適な栽培管理と効率的な作業を支援する生産管理システムの開発に関しては、a)IT農業に関連した北海道マッチングフォーラム等の所内外のシンポジウムの開催や関係する生産者・メーカーからの聞き取り調査等からニーズ把握を行い、試験導入する現地の設定につなげた。b)バレイショの精密管理実現に向けて、バレイショ収穫機の搬送コンベア上にGPSカメラを装着し、収穫作業中の画像からバレイショ収量と圃場内位置情報とを関連付けて推定し、圃場内の収量ばらつきを地図化する手法を開発した。c)生産者を北海道の畑作地帯から選定して、開発技術に対する意見や課題の抽出が可能なモニター農家制度を構築した。
このほか、自己位置同定を必要としない全方位カメラの画像に基づく農作業車両制御方法を開発し、堆肥散布機の走行制御に適用した結果、0.5m/sの走行速度にて経路誤差20cm以内で基準線に沿った走行を実現した。
カテゴリ 病害虫 管理システム 栽培技術 GPS 収穫機 通信制御 低コスト 農薬 ばれいしょ モニタリング ロボット

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