インフルエンザの新たな監視・防除技術の開発

課題名 インフルエンザの新たな監視・防除技術の開発
課題番号 2012020400
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 西藤岳彦
協力分担関係 タイ国立家畜衛生研究所
タイ・マヒドン大学獣医学部
広島大学大学院
ディナベック株式会社
京都府立医科大学
農業生物資源研究所
株式会社リポソーム工学研究所
大阪府立大学
日本ビュッヒ株式会社
麻布大
研究期間 2011-2015
年度 2012
摘要 インフルエンザ研究に関しては、a)高病原性鳥インフルエンザウイルス(HPAIV)に対する宿主応答の解明に向けて、RNAウイルスを検知するパターン認識受容体(PRRs)であるRetinoic Acid Inducible Gene-I(RIG-I)のアヒルでの相同遺伝子(dRIG-I)を導入したニワトリ多能性(ckES)細胞は、HPAIVの増殖を有意に抑制することを確認した。b)このdRIG-I導入ckES細胞をニワトリ受精卵に移植することによって、dRIG-Iキメラニワトリの作出に成功した。c)PRRsであるMelanoma differentiation antigen-5(MDA5)の機能解析により、RNAに対するPRRsの一つであるRIG-Iを欠損しているニワトリでは、哺乳類ではRIG-Iが認識するとされている短い鎖長の二本差RNAの認識にMDA5が関与している可能性を見出した。d)鶏に対して有効であるとして開発中の新規インフルエンザワクチンに関連して、不活化したHPAIV粒子104赤血球凝集単位(HAU)を2回点眼投与することによって、ニワトリ血清抗体価が有意に上昇し、ウイルス排泄もなく16羽中15羽がHPAIVによる致死的感染を耐過した。e)新規動物用インフルエンザワクチンの開発では、アルギン酸ナトリウムカプセルに包まれた不活化ウイルス粒子を経口投与しても、ニワトリの抗体産生を誘導できないことがわかった。不活化鳥インフルエンザウイルス抗原をリポソームに封入して点眼投与しても抗体の産生は向上しないことがわかった。f)動物インフルエンザユニバーサルワクチンの開発のため、膜タンパク質であるM2タンパク質のペプチド配列をセンダイウイルスベクターに組み込んで、ブタに筋肉内注射することで鳥、豚、人由来インフルエンザウイルスに対する抗体産生が誘導されることを明らかにした。g)紅芋の葉に含まれるポリフェノール類の抗インフルエンザウイルス効果の探索により、3,4,5-tri-O-caffeoylquinic acidに高いウイルス増殖阻害活性、ノイラミニダーゼ阻害活性があることを明らかにし、抗インフルエンザ剤のリード化合物となる可能性を示した。h)平成22年から平成23年に国内で発生したHPAIの起因ウイルスの詳細な遺伝的、ウイルス学的な解析によって、これらのウイルスが野鳥の間で維持されている間にニワトリに対する病原性が低下した可能性を示唆する結果を得た。i)豚インフルエンザウイルスの研究においては、平成21年のヒトでのパンデミックウイルスの出現以降、パンデミックウイルスが豚に侵入して、それまでに豚の中で循環していた豚インフルエンザウイルスとの間で遺伝子再集合を起こしていることを明らかにした。
カテゴリ アヒル 防除

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