| 課題名 | ③ 家畜の発生分化機構の解明 |
|---|---|
| 課題番号 | 2012020460 |
| 研究機関名 |
農業生物資源研究所 |
| 研究分担 |
徳永 智之 内藤 充 金子 浩之 野口 純子 菊地 和弘 松原 悠子 伊藤 嘉保 古澤 軌 大越 勝広 宮下 範和 細江 実佐 |
| 協力分担関係 |
(独)理化学研究所 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 福岡県 愛知県 地方独立行政法人北海道立総合研究機構 |
| 研究期間 | -4 |
| 年度 | 2012 |
| 摘要 | 1.ウシにおいて、ES細胞等の多能性幹細胞から生殖細胞、さらに交配能力のある配偶子を分化誘導するための基盤技術の開発を進めている。これまでに樹立したウシES様細胞を、蛍光標識して8細胞期胚に注入・培養して得られたキメラ胚盤胞において、蛍光標識細胞は胚体を形成する内部細胞塊(ICM)と胎盤を形成する栄養芽細胞層(TE)の両方に寄与することが判明している。24年度は、蛍光タンパク質(GFP)遺伝子を導入したウシES様細胞のキメラ胚を作出し、ES様細胞がICMに寄与していることを確認した胚盤胞を選別して、1頭の受胚雌に20~30個移植した。7日後に子宮潅流によって伸長胚を回収し、胚盤及びその近傍に蛍光細胞が確認された伸長胚を選別し、再度、2個ずつ受胚雌に移植した。妊娠62日齢の胎子を採取して解析したところ、蛍光実体顕微鏡下では蛍光細胞は確認できなかったが、ゲノムDNAのPCRにより、胎子の各種臓器及び胚体外組織にES様細胞が寄与していることが判明した。これまで多数の雌ウシを要するため、現実的には実施困難であったウシキメラ個体作出が、本手法により比較的容易に実施が可能となる。 2.ブタ生殖細胞の新たな利用・保存技術を開発するために、胎子・新生子の精巣を超低温保存した後、異種間移植および顕微授精等を組み合わせて、未熟な生殖細胞から個体を再生する一連のシステムの開発を進めている。23年度、ガラス化冷却後、超低温保存した新生子のブタ精巣組織をヌードマウスに移植すると、高い頻度で精子が回収されることが明らかとなった。24年度は、得られたブタ精子を用いて顕微授精を行い、受胚雌へ胚移植したところ正常な産子を得ることができた。これにより、未成熟精巣の異種間移植はより実用的な技術となった。 3.ブタで成功している未成熟な精巣組織の異種間移植による精子誘導技術をウシに適用できれば、リスクを抱えたクローンウシ等の産子や胎子から正常な生殖細胞をレスキューし、直接的に後代を得ることが可能になると考えられる。24年度、月齢の異なる黒毛和種子ウシ精巣組織の異種間移植を試みたところ、1ヶ月齢子ウシ由来精巣組織を7~8ヶ月間異種間移植していた例で、伸長精子細胞及び成熟精子の形成が確認された。しかし、ブタの場合と比較して、精子が得られる頻度は低かった。今後、精子の形成率を向上させるため、支持細胞の成熟を促す等、ウシ精巣発育に対応した技術改良が必要である。 4.ニワトリ胚から取り出した始原生殖細胞を体外で培養増殖させる方法を構築し、始原生殖細胞操作のための基盤技術の開発を進めている。24年度は、30日間以上の長期間に渡って体外培養した始原生殖細胞を、ブスルファン処理により内因性の生殖細胞を抑制したレシピエント胚へ移植してキメラニワトリを作出した。交配試験の結果、雌キメラからは培養始原生殖細胞由来の後代を高率に得ることができた。 |
| カテゴリ | 鶏 豚 |