D 新規需要の獲得に向けた木質バイオマスの総合利用技術の開発

課題名 D 新規需要の獲得に向けた木質バイオマスの総合利用技術の開発
課題番号 2013023158
研究機関名 森林総合研究所
研究分担 木口実
研究期間 2011-2015
年度 2013
摘要 <研究内容>
木質バイオマスの熱利用機器(薪ボイラー)を山村地域へ普及させた場合のCO2削減効果を明らかにする。ヤナギ超短伐期栽培技術にかか るコストとリスクを整理し、植栽コストを試算する。木質バイオマスに物理処理と酵素処理を併用することにより、ファイバー長800nm 以上のセルロースナノファイバーを高収率で製造するナノ化技術を開発する。セルロースとケイ素化合物を組み合わせて、新規な高性能複合フィルム素材を開発する。機能性リグニン製品の開発に向けて、誘導体化工程に掛かる薬剤コストを半減する技術を開発する。
<成果の概要と活用>
山村地域において、林地残材の収集運搬方法の違いや灯油ボイラーから薪ボイラーに転換した場合のCO2削減効果を定量的に明らかにし、 またバイオマス資源作物として期待されているヤナギの栽培可能適地の判別技術を開発し、超短伐期施業による栽培コストを試算した。これらの技術は木質バイオマスの地域での利活用に貢献できるものであり、利用システムの構築に向けて大きく前進した。成果をホームページ等で公表しており、下川町における実証化のためのデータとして活用されるなど地域でのバイオマス導入に向けた資料として活用されるものである。未利用木質バイオマスの利用技術において、高性能な繊維強化材料として期待できるファイバー長が800nm以上のセルロース ナノファイバーの製造技術を開発し、またセルロースをケイ素化合物との複合化によりフィルムの強度や柔軟性を任意に設計できる技術を開発した。また、リグニンからの高付加価値素材を開発するためにリグニンの品質開発技術を開発すると共に安価なPEGを使用することで 従来の薬剤コストを半減できる技術を開発した。林地残材をはじめとする未利用木質バイオマスの利活用に繋がる技術が進展しており、バイオマスの変換・総合利用技術の開発に向けて前進した。これらの技術は製品開発のシーズとなるものであり、学会等で成果を公表している。特に、リグニンへのPEGの反応技術が開発されたことは機能性リグニンからの製品製造コストの大幅な低減に寄与できる。
カテゴリ 機能性 高付加価値 コスト 栽培技術 薬剤

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