課題名 | (ア)社会・経済的視点及び生態系機能・生物多様性を考慮した漁業・資源管理手法の開発 |
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課題番号 | 2013023168 |
研究機関名 |
水産総合研究センター |
研究分担 |
山田陽巳 木白俊哉 本多仁 酒井光夫 佐藤俊平 西村明 清田雅史 玉置泰司 木下貴裕 大熊一正 斎藤寿彦 佐藤琢 加藤慶樹 川端淳 牧野光琢 赤嶺達郎 林原毅 瀧憲司 山村織生 有瀧真人 |
協力分担関係 |
東京大学 株式会社 シタシオンジャパン (財)自然環境研究センター 福山大学 鹿児島県水産技術開発センター 沖縄県水産海洋研究センター |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2013 |
摘要 | 資源評価の精度向上のための飼育試験に取り組んだ。スルメイカについて、幼イカ以降の飼育システムを構築するため、飼育実験を行 った。飼育水槽の壁面に格子状の模様を付けることにより幼イカと壁面との接触を避ける等の飼育手法の工夫により、生存日数は各々36日及び48日に達し、17℃区では、一部の個体が成熟した。スケトウダラについて、親魚養成のために平成24年2月から飼育を開始した種苗は 、低温馴致の餌系列の確立により、644日後に平均全長34cm、平均体重390gに達した。また、水温の上昇とともに生残率が低下するという 生物特性データを収集した。 漁獲可能量(TAC)が設定されているズワイガニ太平洋北部系群について、調査用トロール漁具の網目選択率を甲幅別のものに改めるな ど、資源量推定精度の向上を図った。北太平洋漁業委員会で資源管理されているサンマ太平洋北西部系群について、親子関係を組み込んだ資源量推定法の導入により評価精度の向上を図った。国際機関で管理されている鯨類、外洋いか類、外洋底魚類、さけ・ます類等54種・79系群の国際資源及び我が国周辺水域主要資源52種84系群の資源評価を漁業情報や調査船調査結果等を利用して実施した。 平成24年度までに開発したマサバ、スケトウダラ、マアジのオペレーティングモデルでは、それぞれ実際の漁獲データを用いた解析を行い、資源回復措置の効果や漁期中のTAC改訂効果及び禁漁設定の有効性等を把握した。 管理方策の開発が最も急がれる対象種として選定したマゴンドウについて、既存の知見を整理し、管理単位として沖縄近海を境界とした南北2系群を設定し、ミトコンドリアDNA解析による推定混合率と既存の目視資源量データにより系群ごとの資源量を試算した。また、資源動態シミュレーションを実施し、海域ごとの捕獲枠設定方法を開発して捕獲枠の試算を行った。 北海道周辺海域の底魚生態系について、中長期的変動要因を考察した。トドの食性は、ホッケ資源の減少以前に変化し、主たる餌生物がホッケからイカナゴやホテイウオに変わっていたことが明らかになった。つまり、漁業現場の感覚(トドが増えて食べたからホッケが減った)に反して、トドはホッケの減少の直接的原因ではないことが示唆された。北部太平洋まき網漁業について、水産庁と資源管理に関する協議を開始し、特に、マサバ資源増大期におけるTAC管理の在り方や、陸上産業(加工・流通)との関係、今後増加が期待されるマイワシ 資源を有効利用するための方策について、管理方策に関する委員会に知見を提供した。沖縄県石西礁湖については、平成24年度の分析で抽出した重点魚種について、地元関係者と資源管理の方向性に関する協議を開始した。東シナ海まき網については、オペレーティングモデルを構築した。ナマコについては、資源量、漁業操業及び加工・流通を全体として管理する考え方を現場(北海道など)に適用するとともに、年齢構成モデルを構築した。その他、農林水産省ODAに基づくPICES-MAFFプロジェクト(多栄養段階養殖業による里海普及事業)の実行 、資源、漁業及び加工・流通を全体として管理するための漁業管理ツール・ボックスの現場普及版作成、利害関係者による海の恵みの認識の差を認知科学的手法を用いて定量化する「海の福利キューブ」の構築等を行った。 |
カテゴリ | 加工 管理技術 動態シミュレーション |