課題名 | (イ)海洋生態系の把握と資源変動要因の解明 |
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課題番号 | 2013023169 |
研究機関名 |
水産総合研究センター |
研究分担 |
西村明 齊藤宏明 清水勇吾 田所和明 岡村寛 木所英昭 長谷川徹 市川忠史 吉田吾郎 小埜恒夫 清田雅史 伊藤進一 黒田寛 酒井光夫 塚本洋一 大下誠二 奥西武 養松郁子 森賢 ?須賀明典 |
協力分担関係 |
独立行政法人国立環境研究所 北海道大学 東京大学 大学院農学生命科学研究科 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2013 |
摘要 | 魚類の餌料生物として重要なカイアシ類(オンケア属、コリケウス属)や尾虫類の個体数増加に、ピコ・ナノプランクトンの現存量増 加が正の影響を与えている可能性を示し、微小プランクトンが生態系に関与するプロセスの一端を明らかにした。 日本海西部海域におけ るマイワシの分布特性、餌料環境等についてデータを収集し、未成魚の食性に関するデータを整理した。 生態系モデルEcopathを基本モデルとし、その中で取り扱う栄養段階別の生物グループの構成及びそれらの被食・捕食関係を解析し、東 北沖、瀬戸内海、日本海等国内の多様なフィールドでの適用に際して必要となる基本的なプロトコル(モデル調整作業手順)を構築した。柱となる鍵種の食物網解析等を実施しつつ、主要な生態系モデルを材料として生態系相対評価のための指標を探索し、海域の生産力の指標として栄養段階別現存量等が有効であることを明らかにした。 親潮前線等の位置情報を解析し、混合水域は1976/77年のレジームシフトで一時的に縮小した後徐々に拡大し、2005年以降最大規模に達 していること、ここ20年では偏西風の弱化・北偏に伴い親潮流軸が北偏化していることを明らかにした。 日本海において、魚類群集構造 の変化とレジームシフトとの対応を検討するために生態系指標種としてヤリイカを選定し、その動向をみると1980年代末のレジームシフトに対し、南部で減少し、北部で増加するなど、 同じ種においても分布域の違いによって分布量が大きく異なる応答が認められた。 親潮域、黒潮域、東シナ海で低次生態系及び二酸化炭素分圧モニタリングを継続するとともに、サンマ、サケ等の分布・回遊に及ぼす温暖化の影響評価を実施し、温暖化によってサケの分布域が冬季には拡大するのに対し、夏季には逆に縮小する可能性が示された。 重要資源の生物特性と環境との関係についてデータ収集・蓄積を継続し、スケトウダラ後期仔魚の分布環境、ホッコクアカエビの資源構造と性転換サイズの関係、 アカイカ秋生まれ若齢群の成長及び生育海域の餌環境条件について解析を進めた。 漁況海況予報を実施し、予測精度向上に必要な漁海況データを収集・蓄積した。混合水域における小型スルメイカの資源量指数とクロロフィルa量との間に正の関係があることを見出し、加入量予測モデルの高精度化を進めるとともに、各漁場への来遊量予測モデルを開発し た。北海道高解像度モデルによる2002年以降のハインドキャスト(再予報)試験計算、拡張版日本海海況予測システム(JADE2)開発等を 実施し、海況予測システムの高度化を進めた。黒潮蛇行の発生を予測する手法開発の一環として、黒潮小蛇行の発生海域である都井岬沖の海面高度と周囲の海面高度との時間的なずれの相関解析を行い、都井岬沖での黒潮離接岸をある程度予測することが可能となった。 |
カテゴリ | 管理技術 モニタリング |