中小規模水田に対応した生産性向上のための輪作システムの確立

課題名 中小規模水田に対応した生産性向上のための輪作システムの確立
課題番号 2013022999
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 奥野林太郎
協力分担関係 (株)夢ファーム
スガノ農機(株)
JA世羅営農センター
北海道立総合研究機構
島根県農業技術センター
岡山大
県立広島大
広島県立総 合技術研究 所
(農)くろぶち
研究期間 2011-2015
年度 2013
摘要 節水型の水稲直播とムギ、ダイズの簡易耕を利用した中小規模水田の省力輪作体系の開発に関しては、
a) 多収水稲品種「たちはるか」を裸麦後に乾田直播したところ、地下水位を-10cmに保った栽培において627g/m2の坪刈り精玄米収量を得 つつ、用水量は湛水処理の30%程度に節水できた。
b) ダイズで地下水位制御システム(FOEAS)を用いて梅雨明け後の高温少雨期に地表面に土壌水分を供給すると出芽率が向上し、苗の生育が揃うことを明らかにした。また、ミナミアオカメムシのダイズへの加害能力はイチモンジカメムシよりも高いこと、密条無中耕無培土栽培において、部分耕播種は全面耕播種よりも降雨で倒伏しにくいこと、生育初期に干ばつが生じる場合、開花期以降の地下かんがいにより青立ちが発生することを確認した。
c) オオムギで登熟期の前中期のみ地下かんがいすると穂数が増加し、無かんがい区及び茎立期かんがい区と比べて多収になり、成熟期が やや遅くなることを見出した。
d) 部分耕播種圃場で播種条の高さと健全苗立ち数に正の相関を認め、種子処理剤のチアメトキサム・フルジオキソニル・メタラキシルM水和剤(クルーザーMAXX)を塗抹したダイズ種子では、出芽後の苗立枯れ症状が少ない傾向を確認した。
e) オオムギは、部分耕で緩効性50%配合肥料全量基肥施用時の坪刈り収量は504kg/10aにとどまり、全面耕(耕起一発播種)に比べて16%の減収に、速効性肥料分施に比べて11%の減収に相当したことから、緩効性肥料による部分耕の収量性改善にはなお課題が残った。
f) 試作した1粒及び3粒点播機等により2.0kg/10a未満の少量播種乾田直播栽培を6地域で現地試験し、坪刈り精玄米収量が288~578kg/10a と変動が大きく、苗立ち不良、雑草防除、漏生稲等の問題があることを明らかにした。
g) 畦畔の群落高は、雑草畦畔での年4回の草刈りに比べ、芝生畦畔では年3回刈りで低く抑えられることを明らかにした。また、本年度は 生育初期の除草法の違いによるシバの被度階級への影響は認められなかった。さらに、岩手県陸前高田市の急傾斜の45°の新規造成畦畔でも、二重ネット工法は目土の流亡もなく、施工可能であることを明らかにした。
h) 裸麦作後の水稲乾田直播栽培において、ヒメタイヌビエについては埋土種子数が少ない場合に2回の除草剤処理で防除でき、クサネムについては効果の高い成分を含む除草剤の2回処理で防除できることを示した。
i) 広島県世羅町の地下水位制御システム設置圃場において「こいもみじ」の乾田直播栽培を実施し、精玄米収量で全刈り501kg/10aを得た。経済性については、水稲では10a当たり労働時間を66%削減、60kg当たり生産費を48%削減できることを示した。
カテゴリ 病害虫 肥料 FOEAS カメムシ 乾田直播 雑草 除草 除草剤 水田 水稲 大豆 低コスト 播種 品種 防除 輪作 輪作体系

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