課題名 | 水稲の病害抵抗性の持続的利用技術の開発 |
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課題番号 | 2013023058 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
鈴木文彦 |
協力分担関係 |
愛知農総試 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2013 |
摘要 | 抵抗性候補遺伝子の構造解析及び抵抗性遺伝子等の発現パターンの解析に関しては、a) いもち病菌接種48時間後における活性酸素の蓄積パターンは、量的抵抗性イネと質的抵抗性イネ間で差異を認めた。また、同接種条件下で作製したSuperSAGEライブラリから、量的抵抗性 イネに特異的に発現する遺伝子として、転写因子、病害応答関連遺伝子及び活性酸素の生成・分解に関わる遺伝子と相同性を示す発現遺伝子を選抜した。b) 圃場抵抗性候補遺伝子を「コシヒカリ」に導入した形質転換体の作出については、遺伝子導入して再分化まで達した。c) 圃場抵抗性遺伝子の集積系統の抵抗性を評価し、pi21とPi34、及びpi21とPi35の組み合わせでは病斑数において集積効果を認めたが、Pi34とPi35の組み合わせではPi35単独保有系統と同程度の病斑数を示し、集積効果が認められないことを明らかにした。d) 病斑進展停止時 期に発現量が変化する遺伝子群として、ジャスモン酸及びアブジシン酸関連遺伝子を認め、特にジャスモン酸の経路の重要性を認めた。 新規穂いもち抵抗性交配後代の育成及び穂いもち抵抗性関与QTLの解析に関しては、新規穂いもち抵抗性交配後代の育成及び穂いもち抵抗 性関与QTLの解析に関しては、 a) 次世代シークエンス解析を行い、「宮崎もち」と「び系22号」の配列情報から両品種間で多型が検出される共優性マーカーを13個得た 。QTL近傍の既存のマーカーのうち、「宮崎もち」と「コシヒカリ」あるいは「あきたこまち」との間で、それぞれ8つの共優性マーカーを得た。b) 「宮崎もち」の穂いもち抵抗性は、第11染色体長腕上に座乗することを見出し、既知の穂いもち抵抗性遺伝子であるPb1が「宮崎もち」には存在しないことから、新規の遺伝子座であることを明らかにした。 いもち病圃場抵抗性の異なるイネ品種間におけるいもち病菌の個体群変動の比較に関しては、a) 伝染源を起点とした広域的なサンプリン グを一般栽培圃場で実施し、遺伝子流動率の算出に用いる約340の菌株を取得した。b) 遺伝的浮動の大きさについては、保有する抵抗性遺伝子の違いにより、品種・系統間でいもち病菌の有効集団サイズが数倍以上異なることを推定した。c) イネいもち病菌の個体群動態解析 のために、多検体処理かつPCR解析に適したいもち病菌からのDNA鋳型の簡易調製法を開発した。 |
カテゴリ | 病害虫 いもち病 害虫 雑草 水稲 抵抗性 抵抗性遺伝子 農薬 病害抵抗性 品種 防除 |