土壌病虫害診断と耕種的防除技術開発による野菜の環境保全型生産システムの構築

課題名 土壌病虫害診断と耕種的防除技術開発による野菜の環境保全型生産システムの構築
課題番号 2013023062
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 生駒泰基
竹原利明
協力分担関係 東京農工大
農環研
MKVドリーム株式会社
パナソニックエコソリューソンズ社
神戸大
近畿大
岡山農水セ
静岡農林技研
(株)アグリ総研
三菱樹脂株式会社産業フィルム開発センター
研究期間 2011-2015
年度 2013
摘要 土壌微生物・病害虫診断技術の開発に関しては、a) 各地土壌のホウレンソウ萎凋病発病リスクを検定するため、国内57地点の採取土壌にホウレンソウ萎凋病菌nit変異株(M2-1株)を接種して病原菌の増減を計測し、病原菌に対して抑制的な土壌や助長的な土壌を特定した。b) ホウレンソウ萎凋病菌の密度をDNA量から推定する方法について、褐色低地土及び黒ボク土では103bud cells/g乾土以上、グライ土にお いては104bud cells/g乾土以上の密度でホウレンソウ萎凋病菌の定量的な検出が可能であることを確認した。c) ホウレンソウ萎凋病の発 病は、土壌の性状にかかわらず、103bud cells/g乾土以上の病原菌の接種によって顕著になることを明らかにした。d) レタスビッグベイ ン病の媒介菌及び病原ウイルスに関し、開発した検出法(媒介菌の休眠胞子に対する抗体を用いたDAS-ELISA法)は、土壌が存在しない場 合には休眠胞子数1個でも検出可能であったが、土壌が存在した場合には強い非特異反応のために定量的検出が困難であった。このため、 定量PCRによる遺伝子診断法を用いた定量法の開発に向け、プライマーとプローブを媒介菌及び病原ウイルスのそれぞれに対して設計した 。
病害虫抑制を基幹とする野菜生産技術体系の開発に関しては、a) 土着天敵のスワルスキーカブリダニ、ヒメハナカメムシ類ともに、ナス 単植に比べ、スカエボラ混植により発生量を高められること、また、その混植方法の違いはスワルスキーカブリダニの発生量に影響しないことを明らかにした。b) 施設野菜類用に農薬登録された飛ばないナミテントウを露地栽培に適用拡大するため、露地栽培ナスでのワタア ブラムシの抑制に有効な放飼密度を調べたところ、1株当たり成虫0.5頭及び幼虫5頭が必要で、成虫0.25頭以下及び幼虫2.5頭以下の放飼密度ではワタアブラムシの抑制効果は十分に得られないことを明らかにした。c) 施設野菜では、飛ばないナミテントウ2齢幼虫を畝ごとに1m2当たり10~13頭、7日間隔で2回以上放飼することでアブラムシ類を効果的に防除できることを確認した。また、アブラムシ類が既に多発 生している場合は、気門封鎖剤などで密度をいったん低下させた後に放飼する技術メニューを提示した。d) ホウレンソウケナガコナダニ 対策として、ハウス内周辺部に稲ワラやバーク堆肥等の有機物資材を敷くことで土着の捕食性ダニを増殖させるバンカー技術と、殺虫剤フルフェノクスロン乳剤、クロルフェナピル水和剤の散布を組み合わせた総合的な防除体系を生産者に提示した。e) 現地実証試験において 、既存のホウレンソウ周年栽培体系に、カラシナ栽培とカラシナ鋤込みによる生物的土壌消毒を導入し、ホウレンソウ萎凋病の発病を抑制できることを確認した。f) カラシナ鋤込みの緑肥効果については、ホウレンソウの1作目の夏作で化学肥料を約5割削減、2作目の秋作で約2割削減しても、慣行栽培と同等の収量が得られることを確認した。2作目の秋作では緑肥効果が薄れ、冬作ではほとんど効果が認められなかった。
このほか、a) 空撮画像を使って生育途中に非破壊でレタスの生育を推定する手法を検証し、生育前期までは投影面積からレタスの新鮮重 を推定できることを明らかにした。
カテゴリ 病害虫 肥料 有機栽培 有機農業 害虫 カメムシ からしな 栽培体系 診断技術 土壌消毒 土着天敵 なす 農薬 病害虫防除 防除 ほうれんそう ホウレンソウケナガコナダニ レタス わた

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる