IT等の利用による精密・低コスト大規模農業のための基盤技術開発及び体系化

課題名 IT等の利用による精密・低コスト大規模農業のための基盤技術開発及び体系化
課題番号 2013023067
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 澁谷幸憲
協力分担関係 (地独)道総研工試
(地独)道総研十勝農試
(株)クボタ
ヤンマー(株)
井関農機(株)
三菱農機(株)
松山(株)
小橋工業(株)
(株)やま びこ
(株)IHIスター
研究期間 2011-2015
年度 2013
摘要 トラクタと作業機間の標準となる共通通信制御技術の開発に関しては、a) ISO 11783に準拠した通信を行うソフトウェアライブラリ(ISO 11783プロトコルスタック)の機能拡張を行い、市販GPSの情報を使用できるようにした。具体的には、ISO 11783で規定するCANインター フェースを適用する情報通信に加え、速度連動作業等の高精度作業に不可欠な作業速度情報を市販のGPSの速度信号から取得できるよう、RS232C通信を用いてGPSからのNMEA0183フォーマットの情報をISO11783に変換する機能を追加する等の改良を行った。b) 通信制御機能をも たないトラクタと作業機への後付け搭載可能で電子制御装置(ECU)に適用可能な共通化ハードウェアについて、三次試作を実施し、電源 回路、デジタル入力回路の変更などの改良を行った。また、共通化リモートコントローラとして、文字表示のみの機能に限定した低価格化可能なものを開発し、ブロードキャスタ用ECUに接続して動作確認試験を行い、良好に動作することを確認した。c) 北海道大学が開発中のロボットトラクタに搭載し、ロボット用防除機やロボット用施肥播種機を制御するトラクタ用ECU及びトラクタに装着して使用する防除機 用ECUを開発し、動作確認試験を行った。トラクタ用ECUは作業機情報の取得と制御情報の送出を行うほか、作業機用ECUは外部からの動作 指示を基にブームの開閉、作業の入切を行うことができた。また、開発したECUを搭載したトラクタ+防除機を農家圃場で使用し、良好な 動作を確認した。
作業機から得られる情報(生育情報、作業情報等)と生産履歴等の蓄積情報の統合処理に関しては、a) 農産物生産工程管理システム「apras」の現地実証試験を道内8つのJAで行い、良好に稼働することを確認した。また、平成26年度以降の本格稼働に向けて、(財)ソフトウェ ア情報センターへのプログラム登録を完了させた。b) 「apras」のクライアントシステムとしてスマートフォンやタブレットPC用のシステムを開発し、モバイル端末からもPC版の「apras」と同等の機能を使用できることを確認した。c) 農業機械上でGPS、カメラ等から収集さ れた情報を解析し、ウエブブラウザ上で作業軌跡を地図上に描画するとともに、作業速度や推定される作業内容をチャート上に表示できるシステムを試作した。「apras」との連携については、標準化等を含めて引き続き検討することとした。d) フィールドサーバや民間通信業者の提供する気象データを「apras」で使用する方法を検討し、気象データシステムとの連携上の課題としてデータの汎用的な利用があげ られたため、クラウドで利用できるよう気象データシステム側のデータを「apras」へ提供できるようにすることを開発の基本要件とした 。e) 無人航空機(UAV)の自律飛行機で実際の空撮作業を200回以上行い、4haの圃場を数分以内の高能率で空撮でき、高度100mで撮影範囲270m×150mの広域画像を得られることを確認した。f) 圃場空撮により得られた2次元画像からマルチステレオビジョンにより3次元画像を 生成し、圃場内の最大高低差2.55mの圃場での3次元画像は縦方向0.46m、横方向0.39m、垂直方向(高さ)0.23mの誤差で再現できることを 確認した。g) コムギ、バレイショの生産性向上のために、収量構成要素に及ぼす各種要因の関係性を構造的に整理し、コムギでは、生育 及び気象予測などの情報が、バレイショでは、種芋の個体重及び株間調整の適切なコントロール並びに収穫時の打撲軽減のための収穫機操作に関わる情報が重要であることを見出した。
最適な栽培管理と効率的な作業を支援する生産管理システムの開発に関しては、a) トラクタECUを現地農家のトラクタに搭載し、トラクタと作業機との通信データ、位置情報をUSBメモリーに記録する装置を試作し、動作が良好であることを確認した。b) 業務加工用キャベツを生産している農家圃場を対象にUAVによる空撮を実施し、生育画像データを収集した。キャベツ個体の誤検出率の低減が課題であった。c) 平成24年度に開発したバレイショの圃場内における収量ばらつきを地図化する手法について、GPS連動カメラのバレイショ抽出画像からの 収量測定精度を土砂分離性能の異なる収穫機で検証し、画像ノイズ除去の前処理及び形状による識別処理の改善が必要であることが認められた。
このほか、果樹園など障害物の多い農業現場で、GPSによらずに、全方位カメラやレーザセンサを用いて無人走行できる自律走行車両を開 発した。樹木の周回走行では、走行速度1m/秒において横方向の誤差は20cm以内、樹列間走行では、走行速度2m/秒において横方向の誤差は50cm以内でそれぞれ走行できることを確認した。
カテゴリ 加工 管理システム キャベツ 栽培技術 GPS 収穫機 施肥 通信制御 低コスト 播種 ばれいしょ 防除 ロボット ロボットトラクタ

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