課題名 | 国際重要伝染病の監視技術の高度化と蔓延防止技術の開発・評価 |
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課題番号 | 2013023070 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
菅野徹 |
協力分担関係 |
北海道立総合研究機構 化血研 日本ハム株式会社 富士フイルム株式会社 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2013 |
摘要 | より特異性が高く現場で簡便に診断できる手法の開発と侵入防止対策に関しては、a) 口蹄疫ウイルスO/JPN/2000株を免疫源として作出したモノクローナル抗体1H5の血清型O、A、C及びAsia1ウイルスに加えて、血清型SAT1、2及び3ウイルスに対する反応性を検証し、7種全てのウイルスに反応することを確認した。また、モノクローナル抗体1H5を検出抗体として開発したイムノクロマト技術を利用した抗原検出法 のプロトタイプは、これらのウイルスに対して、海外で市販されるキットに比べ約20倍高い感度を認めた。b) ペスチウイルス国内分離株 を収集し、E2領域の塩基配列を決定するとともに、塩基配列を比較し、牛ウイルス性下痢ウイルスBVDV1は種内で多様性があること、また 、豚から分離したFNK2012-NIAH株はボーダー病ウイルスBDVに分類されることを確認した。 病原体の伝播・存続様式の解明に基づく遮断方法の開発に関しては、a) 口蹄疫ウイルスについて、新たに樹立された山羊胎仔舌株化細胞ZZ-R 127の口蹄疫ウイルスに対する感受性を検証し、現行の豚腎株化細胞IBRS-2細胞より感受性が高いことを確認した。また、平成22年の 口蹄疫発生時の病性鑑定材料について、ZZ-R 127細胞を用いてウイルスの再分離を試み、新たに59症例中51症例からウイルスを分離した。b) 口蹄疫ウイルスについて、感染力106 TCID50のウイルスを鼻腔内接種した豚では、接種後3~9日目にかけて病変好発部位に水疱形成を 確認するとともに、血清、唾液、鼻汁及び糞便からのウイルス排泄、そして接種後6~7日目からは中和抗体を検出したが、103 TCID50のウイルスを鼻腔内接種した豚では、試験期間の14日間において水疱形成、ウイルス排泄及び中和抗体産生は確認されないことを明らかにした。c) 感染力106 TCID50のウイルスを口腔内接種した豚では接種後2~7日目にかけて病変好発部位に水疱形成を確認するとともに、血清、 唾液、鼻汁及び糞便からのウイルス排泄、そして接種後4~5日目からは中和抗体を検出し、また、103 TCID50のウイルスを口腔内接種した豚においても、接種後7~11日目にかけて病変好発部位に水疱形成を確認するとともに、血清、唾液、鼻汁及び糞便からのウイルス排泄、 そして接種後9~11日目からは中和抗体を検出できることを明らかにした。d) 口蹄疫ウイルスについて、マイナス鎖RNAの検出及び定量化 が可能なRNA鎖特異リアルタイムRT-PCR法を開発し、感染細胞内におけるウイルス増殖の動態解析に有用であることを実証した。 効果的なワクチンや薬剤の開発に関しては、a) 口蹄疫ワクチンを接種して30日後にウイルスを接種した牛では、接種部位である舌以外に 病変は確認されず、唾液以外からもウイルスは分離されないことを確認した。一方、ワクチンを接種して3日後にウイルスを接種した牛で は、接種部位である舌以外にも水疱病変を確認し、唾液及び鼻汁からもウイルスを分離できるものの、病変の程度やウイルス排泄期間などはワクチン非投与牛に比べて減弱化を認めた。 |
カテゴリ | 豚 防除 山羊 薬剤 |