インフルエンザの新たな監視・防除技術の開発

課題名 インフルエンザの新たな監視・防除技術の開発
課題番号 2013023071
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 西藤岳彦
協力分担関係 タイ国立家畜衛生研究所
タイ・マヒドン大学獣医学部
京都府立医科大
研究期間 2011-2015
年度 2013
摘要 インフルエンザ研究に関しては、a) イヌ腎臓尿細管上皮細胞由来のMDCK細胞で33℃での増殖性が41℃より約400倍低い野鳥由来ウイルスA/teal/Tottori/150/2002(H5N3)(Tottori株)及びA/whistling swan/Shimane/580/2002(H5N3)を豚肺胞上皮細胞で33℃で14代継代し、MDCK細胞及び豚肺胞上皮細胞における33℃での増殖性が向上したウイルスを得た。b) 低温馴化したTottori株とH5N3ウイルスでは、PB2タ ンパクに計3か所、PB1タンパクに計2か所及び赤血球凝集素(HA)タンパクに計3か所のアミノ酸置換が起きていることを見出した。さらにTottori株においては、NPタンパクに1か所のアミノ酸置換を認めた。c) 組換え鳥インフルエンザウイルスを用いてin vitroでのウイルス ポリメラーゼ活性と鶏経鼻接種試験での鶏病原性を比較し、ウイルスポリメラーゼサブユニットPB1のアミノ酸変異(C38Y)は、ウイルス ポリメラーゼ活性を上昇し、ウイルスが鶏体内で増え易くなることにより、鶏への病原性を増強することを明らかにした。
このほか、a) 平成23年に国内の野鳥から分離されていたH7N9亜型鳥インフルエンザウイルスとその遺伝子情報を、WHOインフルエンザ協力センターである国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センター及び東京大学医科学研究所に提供して、中国での人からの分離株との遺伝子レベルでの違いを共同で解析した。b) 国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センターを通じて、中国で人から分離され たH7N9亜型鳥インフルエンザウイルスを導入し、鶏、ウズラ、ハトでの感染試験を行い、本ウイルスが家禽に対しては低病原性であることを認めた。c) 近年国内で流行している豚インフルエンザウイルスの抗原性が、国内のワクチン株の抗原性と異なっていることを確認した 。d) 同じ亜型の豚インフルエンザウイルスであってもベトナムと日本で分離されるものでは、抗原性が異なることを明らかにした。e) 国内で流行している豚インフルエンザウイルスの抗原性が、ヒト季節性インフルエンザウイルスの抗原性と異なっていること、それらのウイルスの内部遺伝子が人パンデミックウイルスに由来していることを見出した。f) 鳥インフルエンザワクチンを開発するため、鳥パラミク ソウイルス血清型2、6、10型のウイルスを、ニューカッスル病ワクチンにて免疫された鶏に点眼投与し、病原性を示すことなく上部呼吸器粘膜で増殖すること、鳥パラミクソウイルス特異的抗体応答を誘導することを見出した。
カテゴリ 防除

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