信頼性確保のための原材料・生産履歴判別等の技術開発と標準化

課題名 信頼性確保のための原材料・生産履歴判別等の技術開発と標準化
課題番号 2013023083
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 逸見光
協力分担関係 国立医薬品食品研究所
農林水産消費安全技術センター
東京大学
森林総合研究所
株式会社ファスマック
株式会社ニッポンジーン
株式 会社島津製作所
近畿大学
産業技術総合研究所
ハウス食品(株)
研究期間 2011-2015
年度 2013
摘要 米の品種識別法に関しては、次世代シーケンサーを用いた96品種の網羅的な多型解析により、平成24年度までに同定済みのものと合わせ て50個の品種特異的マーカーを得た。その中で、特に新潟県産コシヒカリ「コシヒカリ新潟BL」の品種特異的マーカーをLAMP法に適用し、1時間以内に分析可能な簡易同定法を開発した。
農産物・食品の産地等を高精度で判別する技術に関しては、a) 紫外線吸収スペクトルを利用した市販のミネラルウォーター7種の判別について、170~200nmの遠紫外領域を含む吸収スペクトルを測定することで、陰イオン組成が類似した水を除き、近赤外光を用いるよりも格段に精度よく、ほぼ100%判別可能であることを確認した。b) 平成23・24年産の三陸産、鳴門産、中国産、韓国産の湯通し塩蔵ワカメについて、炭素・窒素同位体比と9元素組成(Mg・P・Ca・V・Mn・Zn・Rb・Sr・Ba)との組合せによる判別の結果、鳴門産・中国産・その他産の 判別を可能とした。また、アカシアはちみつについては、微量元素組成により国産と中国産の判別を可能とした。c) 軽元素同位体比分析 値の真度保証のための標準物質の候補であるメカジキ粉末及び茶葉粉末について、標準物質の値付けを目的に19機関で炭素・窒素同位体比の室間試験を実施した。d) 分析値の信頼性確保に役立つ情報提供に関しては、これまでに構築した試験室間共同試験のデータベースの収 録情報を利用して、食品表示に関するビタミンや他の成分の分析で多用されている液体クロマトグラフィーを用いた分析法の精度について、食品の種類ごとの傾向を明らかにした。また、分析値の信頼性確保のために、独立行政法人産業技術総合研究所と共催で玄米中無機元素分析の技能試験を実施した。
低レベル放射線照射履歴の検知技術の開発に関しては、a) ケイ酸塩を含む香辛料と食塩の光ルミネッセンス(PSL)発光波長特性を蛍光光度計で調べ、食塩でも放射線照射による発光強度の著しい増加を観測し、発光素体としてケイ酸塩以外に食塩(結晶)を含有する食品にもPSL法が適用できることを確認した。b) 放射線照射されたカニ殻を検出するための電子スピン共鳴(ESR)法の測定パラメータの最適化を 行い、マイクロ波強度が4~5mW、変調磁場が1G、時定数が10.24msであることを明らかにした。
GM農産物における新規系統の検知技術の開発に関しては、a) 新規承認GMダイズ2系統について、PCR法に基づく系統特異的定量検知法を開 発した。b) 未承認遺伝子組換え体の混入推定に役立つ塩基配列の情報収集を行い、エクセル形式で取りまとめたデータベースを開発した 。c) DNAを精製せずに試料の粗抽出液から直接遺伝子検査を可能にするリアルタイムPCR用試薬(サンプルダイレクトDNA分析試薬、平成24年度3月商品化)の性能評価を行い、様々な試料の分析に適用可能であることを確認した。
分析値の保証に資する標準物質等の開発に関しては、a) GMトウモロコシ及びダイズの認証標準物質については、合計14セットを頒布した 。b) 一分子標準物質開発においては、「ナノポアによる核酸分離法」について、ゲーティングナノポア技術に基づくシステムの試作機を 用いて標準DNAの回収実験を行い、DNAのナノポア通過の指標となるイオン電流の低下と回収試料中のDNA量の間に相関が認められることを 明らかにした。
一般消費者の食品安全情報理解に関しては、ウェブサイトの情報発信効果の定量的評価法として、公的機関のウェブサイトを評価するのにふさわしい項目をリストアップし、これらの項目の定量的解析結果を単純な操作でアクセスログから導出するプログラムを開発した。
このほか、a) 平成25年5月の米国における未承認GMコムギの発生に伴う検査法開発への協力及び農林水産省からの当該GMコムギの混入の有無に関する緊急依頼分析に対応した。
カテゴリ 大豆 データベース とうもろこし 評価法 品種

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