課題名 | 未利用有機質資源のエネルギー変換システムの開発 |
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課題番号 | 2013023092 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
薬師堂謙一 |
協力分担関係 |
太陽工業株式会社 (株)エムアイエス (株)エイティーワン (株)TBM |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2013 |
摘要 | 未利用地や耕作放棄地におけるバイオマス資源作物の持続的安定生産技術に関しては、a) 耕作放棄地の復元では、多年生雑草の草種ごとに雑草根茎の影響を低減させる除草方法を明らかにし、雑草種子低減のためには冬雑草対策も必要なことを確認した。b) バイオ原料用の 水田裏作エンバクで、乾物収量1t/10aを確保できる年内刈りの作型を明らかにした。c) ソルガム栽培では、5月中旬播種において試作したパワーハロー播種機の播種密度を1kg/10a程度に高めることによりソルガムの初期生育を改善可能とした。 稲ワラ等未利用資源の収集・運搬・調製・貯蔵システムに関しては、a) 食用米の稲ワラを現地圃場において収穫時に圧砕処理することで 稲ワラの乾燥時間を1日短縮でき、最終的な稲ワラの回収コストは慣行の35円/kgDMから12.3円/kgDMまで低減できると試算した。b) 稲ワラを飼料とエタノールの両方に供給する場合、飼料用が1/3で7.2円/kgの収益性があることを明らかにした。 未利用有機質資源を工学的にエネルギー変換・利用するシステムの構築に関してはa) 稲ワラと雑草の成型化の際の適性水分域は前者で20 ~25%、後者で20%以下であること、並びに、稲ワラ、雑草類及び混合物のそれぞれの溶融温度を明らかにした。b) バイオマス燃焼炉に ついては、ダウンフロー式バーナー及びロータリーキルン式バーナーとも、1次及び2次燃焼空気の入れ方を改善することにより材料自体の燃焼温度を制御でき、バイオマスの燃焼温度を800℃以下に維持することも可能とした。 廃植物・動物油からの液体燃料製造技術の実用化に関しては、a) 過熱メタノール蒸気法において、LCA評価の基となる各種油脂の反応性を確認し、遊離脂肪酸が最も燃料としての変換効率が高いことを認めた。b) バイオマスをメタノールでエステル交換すると同時に分解を行 うSTING法においては、トラップグリスなどの廃動物脂を水で高温・高圧処理することにより、安価な暖房・発電用燃料として利用できる 可能性を得た。 藻類バイオマス生産技術の開発に関しては、藻類の培養培地としてメタン発酵消化液を使用する場合には、透過度を確保するために精密ろ過及び15倍以上の希釈が必要であること、食品残渣消化液に緩衝液及び微量元素の混液を使用すると無機培養液より2倍の成長速度になる ことを明らかにした。 |
カテゴリ | 病害虫 乾燥 コスト 雑草 除草 飼料用作物 水田 ソルガム 播種 未利用資源 メタン発酵消化液 |