課題名 | 高品質・高付加価値で省力栽培適性に優れたカンショの開発 |
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課題番号 | 2013023101 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
?畑康浩 片山健二 |
協力分担関係 |
(株)霧島酒造 (有)コウワ 聖徳大学 東海大学 鹿児島大学 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2013 |
摘要 | 原料用カンショの育成に関しては、 a) 低温糊化でん粉系統「九州175号」は、「こなみずき」より標準栽培及び長期栽培において収量、でん粉重ともに2割以上の多収、「シ ロユタカ」より標準栽培において収量、でん粉重ともに1割以上上回っており、立枯病とネコブセンチュウ抵抗性が強く、調査を継続する こととした。また、切干歩合が高く蒸しいも評価に優れる焼酎用系統「九系319」を選抜した。 b) 標準栽培において「こなみずき」より1割ほど多収、長期栽培において「こなみずき」並みの収量性が得られる新規でん粉系統「九州178号」を開発した。 多収で直播栽培適性に優れ生産コストが削減できる原料用品種の育成に関しては、直播栽培適性を有する「九州177号」の収量は現地試験 では標準品種よりやや低収であったが、醸造試験ではアルコール収得量、官能評価ともにコガネセンガンを上回る評価を得た。 食用・加工用カンショの育成に関しては、 a) 多収で早期肥大性に優れる「関東132号」は、食味アンケートで「高系14号」よりおいしいと評価を受け、普及見込み地域である佐賀県においても標準比で3割の多収、食味も“上”であり、新品種候補とした。 b) 蒸しいもの糖度とデンプン糊化温度との間には負の相関があり、糖度が20 Brix%を超えるような高糖度のカンショでは、デンプンの糊化温度がβ-アミラーゼ活性やデンプン含有率よりもマルトースの生成量に影響することを明らかにした。 このほか、 a) 糊化開始温度が異なる2つのタイプのカンショでん粉を容易かつ迅速に判別できるアルカリ溶解検鏡法を開発した。 b) カンショ育種の効率化や高付加価値な育種素材を開発するための基盤技術として、ゾウムシ抵抗性3系統が収量面でも問題のないことを確認するとともに、新たなゾウムシ抵抗性候補系統を見出した。 c) サツマイモネコブセンチュウSP1及びSP2に対する抵抗性遺伝子座qRmi(t)近傍のDNAマーカーE33とE41は、系統の抵抗性選抜に利用でき ることを明らかにした。 |
カテゴリ | 育種 加工 かんしょ 高付加価値 コスト 直播栽培 新品種 立枯病 DNAマーカー 抵抗性 抵抗性遺伝子 品種 良食味 |