課題名 | 菓子用等の軟質小麦新品種の育成(寒地向け良色相薄力多収小麦系統の開発) |
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研究機関名 |
地方独立行政法人北海道立総合研究機構農業研究本部北見農業試験場 |
研究分担 |
研究部 麦類グループ |
研究期間 | 完 、H22~25 |
年度 | 2013 |
摘要 | 目的:薄力(菓子等)用として輸入される小麦銘柄「WW(ウェスタン・ホワイト)」構成品種と、製粉性が優れる多収品種「きたほなみ」等の北見農試育成材料との交雑後代を用いて、多収で高製粉性の薄力小麦系統を開発する。 、成果:(a) 海外銘柄(ウエスタンホワイト:WW)および北見農試育成系統について、スポンジケーキ焼成試験、クッキー焼成試験(北農研に依頼)を実施し、小麦粉特性との関連を検討した。この結果、生地物性が弱く、アミロース含量が高いものほど、薄力用加工適性が高いことを明らかにした。また、生地物性の簡易な評価指標として、SDS沈降量および溶媒保持力(SRC)検定が有効であることを明らかにした。 、 (b) 薄力用小麦の作出を目的に試験期間内で30組合せの交配を行った。交配後代のSDS沈降量は、F3-F4世代間で高い正の相関関係があり、初期世代での選抜が可能であることが示された。 、 (c) SRC検定の初期世代での利用のため、ビューラー製粉5.0gとブラベンダー製粉1.5gとで比較を行ったところ、両者間ではr=0.9以上の強い相関を示し、少量製粉でも選抜が可能であることを明らかにした。 、 (d) 北見農試保存のWW構成品種のグルテニンサブユニットを近中四農研で検定した結果、薄力特性に優れるクラブコムギにGlu-B1に「an(t)」、Glu-B3に「ae(t)」を見いだした。また、これらを保持する後代系統ではSDS沈降量が低下し、生地物性が弱くなることを明らかにした。 、 (e) クラブコムギ後代の「北系1840」と農業特性に優れる「北見82号」の後代から「北系1913」を選抜した。本系統は、クラブコムギ由来のグルテニンサブユニットを保持しSDS沈降量が低く、生地物性は弱い。アミロース含量は「きたほなみ」よりも高く、ミリングスコアはWW並で粉色a*値が低い。また、本系統の農業特性は「きたほなみ」と比較して、成熟期がやや遅く、赤かび病抵抗性がやや劣るものの、子実重が多く、耐倒伏性と穂発芽耐性は概ね同程度であり、北海道内で栽培可能な特性であることを明らかにした。 |
カテゴリ | 加工適性 寒地 小麦 新品種 抵抗性 品種 ラベンダー |