地下灌漑制御システムを活用した寒冷地水田生産性向上技術の開発

課題名 地下灌漑制御システムを活用した寒冷地水田生産性向上技術の開発
研究機関名 宮城県古川農業試験場
研究分担 水田利用部
研究期間 完H22~25
年度 2013
摘要 <目的>
、 地下灌漑制御システムは,土壌水分調整機能を有した水田の汎用化手法であると同時に,作物の潜在的生産能力を調整しうる手段として期待されている。そこで,逆転ロータリ+播種機を使った汎用的播種体系による水稲+麦+大豆の低コスト省力的な2年3作体系を軸として,地下灌漑制御システムによる,より生産力のある水田輪作体系を実現するため,現地実証により効果検証する。
、<成果>
、 小麦では,追肥時期に地下水位を上げる処理で1穂粒数等に変化を与えることができたが,施肥時期及びその後の気象条件によりプラスに働かない場合もあると考えられた。
、 大豆では,一定水位で長期間管理すると湿害を受けて減収した。処理時期が開花期より早ければ生育の抑制はより強くなる。開花期以降の土壌過乾燥時に一時的な地下灌漑を行うと,大豆の生育は向上し,百粒重の増加や品質の向上が認められた。
、 水稲乾田直播では播種後に地下水位を調節することで出芽揃いを早めることができ,苗立ち率も高まる傾向がある。土壌処理剤効果完成後~出穂前までの期間を地下水位-10cmもしくは-5cmに維持する管理法では,最終的に慣行管理に比べて減収し,特に-10cm管理において降雨量が少ない場合には,大きく減収する可能生がある。
、 水稲無代掻き移植栽培では,有効茎確保後に-15~-10cmの地下水位制御により,桿長が短くなり根量比が増加する場合もある。地耐力は向上し倒伏軽減の効果が得られる年もある。出穂後の葉色が維持され整粒歩合を向上させる場合もあるが,乾燥が過ぎると胴割れ粒の発生を助長する場合もある。
、 大規模集落営農組織での現地実証では,地下灌漑制御システム導入により転作大豆の安定多収が図られた。また新規に小麦が導入されたほか水稲の乾田直播栽培,無代掻き栽培が評価され導入面積が拡大され,露地野菜栽培も定着した。
カテゴリ 乾燥 乾田直播 湿害 水田 施肥 大豆 低コスト 土壌処理 播種 野菜栽培 輪作体系

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