課題名 | 障害耐性を向上させた温暖地向け高品質小麦品種の育成 |
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課題番号 | 2012021174 |
研究機関名 |
農研機構・作物研究所 |
研究期間 | 2010-2014 |
年度 | 2012 |
摘要 | 「ふくあかり」は福島県において、平成26年度からの一般栽培を目指した準備が進められている。 コムギ縞萎縮病抵抗性を示したBC3F1個体を戻し交配に供試し、BC4F1種子(67粒)を得た。さらにその後代を展開してYmIb座乗領域が「ゆめちから」型に固定したBC4F2個体(127個体)を選抜した。YmIb座乗領域がヘテロ型を示すBC3F1個体(14個体)のうち、罹病したのは1個体のみであったため、「ゆめちから」における新規抵抗性遺伝子の存在を示す結果とはならなかった。 農林登録165品種を用いた2ヶ年の試験において、YmIbとQYm.njau-5A.1を併せ持つ品種は両年ともI~III型全てに感染しなかった。YmIbはI~III型に対して、QYm.njau-5A.1はI型に対してそれぞれ単独での効果が示されたが、年次によっては単独では効果が不十分であったため、2つの抵抗性遺伝子を併せ持つことが望ましいと考えられた。 184G4は、「タマイズミ」と比較して発芽しにくく、吸水後のα-アミラーゼ活性の上昇は少なかった。よって、TaABA8’ox1変異の集積は、発芽抑制、さらには、α-アミラーゼ活性の抑制につながる可能性が示された。「農林61号」の5つのTaABA8’ox1B欠失変異体では、4つのDNAマーカーを含む領域が欠失している可能性が示された。よって、コンセンサスマップの情報を考え合わせると、TaABA8’ox1B欠失変異体では染色体の広い領域が欠失していると考えられる。一方、3つのTaABA8’ox1D欠失変異体のうちの1つでは、4つのDNAマーカーを含む領域が欠失している可能性が示された。これらTaABA8’ox1D変異体の変異領域については、さらなる解析が必要である。 後期系統を中心とした603系統について、「Wx-A1、Wx-B1、Pina-D1、Pinb-D1、Glu-D1、Glu-A1、Glu-B3」の各遺伝子型をDNAマーカーを用いて確認し、選抜の参考とした。また、やや低アミロース(Wx-A1a、Wx-B1b)で、高分子量サブユニット5+10をもち(Glu-D1d)、製パン試験の評価の高かった「関東138号」を新配付系統とした。 |
カテゴリ | 萎縮病 小麦 DNAマーカー 抵抗性 抵抗性遺伝子 品種 |