パン・中華めん用等の硬質小麦新品種の高品質栽培技術の実証試験

課題名 パン・中華めん用等の硬質小麦新品種の高品質栽培技術の実証試験
課題番号 2013024227
研究機関名 農研機構・九州沖縄農研・北農研
研究期間 2010-2013
年度 2013
摘要 パン用品種育成を目標とした交配組合せから、耐雪性に優れた「北海264号」、耐穂発芽性に優れた「勝系123号」、「勝系128号」、「勝系136号」を開発した。
「北海262号」の収量・蛋白質含量の潜在能力を検討するため、止葉期以降の追肥に重点をおいた施肥法で極多肥試験を行った。施肥処理は基肥-起生期追肥-止葉期追肥-開花期以降葉面散布の10a当たりの窒素施肥量(kg)を5-6-6(-0)、5-6-12-3とした2処理を行った。5-6-12-3区では5-6-6区に比べ収量がやや増加し、蛋白質含量は著しく増加した。また、穂数の増加もみられなかったことから、後期追肥において追肥量を増やしていくことにより、穂数の過度の増加や倒伏を抑え、系統の能力を最大限に発揮させることができるものと考えられた。
生育調節剤を用いて、「北海262号」の倒伏軽減効果を検討した。「北海262号」は播種粒数175粒/㎡以下の区において、クロルメコート(C)およびクロルメコート(C)+2-クロロメチルホスホン酸(E)処理区で倒伏程度が減少し、さらにC+E区では収量が増加する傾向がみられた。これらの結果から、「北海262号」は播種量175粒/㎡以下でクロルメコート(C)またはクロルメコート(C)+2-クロロメチルホスホン酸(E)を用いた処理により倒伏軽減効果が期待できるものと考えられた。
品種登録出願を2012年11月に行ったパン用小麦品種「せときらら」(中国161号)が2013年度に山口県で奨励品種に採用された。「せときらら」は、日本めん用小麦「ふくほのか」にグルテンの強化(Glu-D1d)、グルテンの伸展性(Glu-B3h)および硬質性(Pinb-D1c)に関わる遺伝子をDNAマーカーによって導入した準同質遺伝子系統である。
開花1週間後の追肥で「せときらら」で1.1%の子実タンパク質含量が増加した。穂肥期(2月)に緩効性肥料を追肥(N7g/㎡)して、開花期追肥(尿素N8g/㎡)を行った試験では、実反収470kgで子実タンパク質含量が12.9%であった。この小麦粉の蛋白質含量は12.2%、ファリノグラフ吸水率65.4%、生地形成時間8.0分、バロリメーターバリュウは72で、複数の実需者で製パン性の評価を実施したところ、各事業者が使用している強力粉と同程度の製パン性があるとの評価であった。
カテゴリ 肥料 高品質栽培技術 小麦 新品種 施肥 DNAマーカー 播種 品種

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる