水稲の病害抵抗性の持続的利用技術の開発

課題名 水稲の病害抵抗性の持続的利用技術の開発
課題番号 2014025565
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 鈴木文彦
協力分担関係 岩手生工研
奈良先端大
愛知県農総試
研究期間 2011-2015
年度 2014
摘要 抵抗性候補遺伝子の構造解析及び抵抗性遺伝子等の発現パターンの解析に関しては、
a) 水稲のいもち病抵抗性反応に関与する候補遺伝子として、パーオキシダーゼの1種であるPox3とセロトニン生合成遺伝子群を特定した。
b) いもち病の量的抵抗性遺伝子Pit34の保有品種は、菌接種後24時間で真性抵抗性と類似の活性酸素蓄積反応を示すことを確認した。また、セロトニン合成経路が光依存的に病斑の褐変反応に関与することを明らかにした。
c) 量的抵抗性保有品種の圃場における葉いもち発病程度は、Pi34>pi21>Pi35となるが、穂いもちの発病籾率は、pi21>Pi34>Pi35となり、葉いもちの発病抑制効果から予想される結果とは異なることが判明した。
d) 量的抵抗性保有品種(pi21、Pi34、Pi35、Pi39)において、窒素施用といもち病抵抗性の関係を調査した結果、病斑面積率が高い品種ほど罹病性品種と同様に窒素追肥によって感受性が増加することを明らかにした。
新規穂いもち抵抗性交配後代の育成及び穂いもち抵抗性関与QTLの解析に関しては、「コシヒカリ」と「宮崎もち」の戻し交雑自殖系統の発病と遺伝子型の調査により、QTLの抵抗性関与遺伝子の座乗領域を約1.3Mbまで絞り込み、その領域内に30マーカーを作製した。
いもち病圃場抵抗性の異なるイネ品種間におけるいもち病菌の個体群変動の比較に関しては、
a) 種籾での分離頻度が1%以下、1~5%とマイナーないもち病菌遺伝子型について、本田まで生残できる確率は、それぞれ約5%、16%であり、量的抵抗性品種間で差のないことを明らかにした。
b) 一般農家圃場において、伝染源を中心に発病及び分離菌株のSSR遺伝子型を解析した結果、穂いもち移住率は伝染源からの距離の一次式で近似され、伝染源の影響はほぼ100m以内に限定されることを明らかにした。
c) コシヒカリを基準品種として葉いもち病斑面積率(病斑数)や穂いもち被害籾割合を比較した結果、量的抵抗性品種間での水稲いもち病菌の適応度の違いを数値として示すことができた。
カテゴリ 病害虫 いもち病 害虫 雑草 水稲 抵抗性 抵抗性遺伝子 抵抗性品種 農薬 病害抵抗性 品種 防除

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