課題名 | 地域資源を活用したバイオマス循環利用システムの開発 |
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課題番号 | 2014025602 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
山岡賢 小綿寿志 田中章浩 |
協力分担関係 |
沖縄畜産研セ ヤンマー沖縄 アースノート 金武町役場 沖縄県北部農林水産振興センター 沖縄農協 金武有機堆肥センター NPO科学技術フォーラム 東京大学生産技術研究所 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2014 |
摘要 | バイオマス利用技術の開発に関しては、 a) 廃食用油を直接燃料として発電機を運転し、米の乾燥機・籾すり機を駆動できることを農家において実証した。 b) 燃焼灰で化成肥料を代替したコマツナ栽培試験を行い、収量に有意差はなく化成肥料を削減した栽培が可能なことを示した。 c) 沖縄本島北部を対象とした地域資源利活用モデルを構築するため、家畜ふん尿処理技術、堆肥や畜産有機液肥を利用した減化学肥料栽培方法を明らかにした。 d) エリアンサスの栽培、ペレット化及びペレットの燃焼試験を行い、利用可能性の検討事例を取りまとめた。 e) 藻類オイル生産のための栄養源としての農業集落排水の利用可能性、オイル抽出後の残さをペレット燃料として活用する可能性を示した。 f) メタン発酵消化液の加温殺菌法の代替となる簡易な殺菌方法として、常温、無蓋で、消化液の攪拌の程度によるpH値の変化、及びそれに伴う殺菌効果を実験室レベルで明らかにした。 地域循環利用システムの設計に関しては、 a) 未変換ナタネ油(SVO)、メタン発酵プラント及び木質バイオマス発電プラントの副産エネルギーの農産施設への利用について、要素技術の基礎データの整備及びエネルギー需要の推計を行った。また、福島県K町を想定したバイオマスエネルギーを利用した施設園芸システムのエネルギー評価を行うため、分析用のシステムフローモデルを作成し、これをベースに施設園芸に供給可能なエネルギー量をシミュレートするためのマテリアル・エネルギーフロー推計シートを試作した。 b) 沖縄県金武町を対象とした地域資源利活用モデルのプロトタイプを作成し、町全体の液肥必要量が液肥賦存量を上回ることを明らかにした。 c) 農村地域におけるエネルギーの需給状況の情報を踏まえて、スマート・ビレッジの構築に向けた考え方を整理した。 d) 農地でのソーラーシェアリング導入の動向を把握するとともに、ブドウ生産を優先したソーラーの利用についての戦略を取りまとめた。 e) 地域資源管理と一体的な低投入型バイオマス利活用システムのプロトタイプとして、メタン発酵システムモデル、藻類利用システムモデル、エリアンサス活用モデル、液肥の省力輸送モデル、家庭生ゴミ活用モデル、木質の熱源利用モデル、ソーラーシェアリング併用モデル等を候補として提示した。 バイオマス由来再生資源の安全かつ環境保全的な利活用技術の開発に関しては、 a) バイオマス利活用に関する行政施策の動向を踏まえながら、地域資源の活用促進することを目指した4回のセミナー等、多様な関係者とのブレーンストーミングを通して、従来の物質・エネルギー収支及び経済性の成立に加え、新しい価値観や発想を取り入れた地域バイオマス利活用システムの設計コンセプトを取りまとめた。 b) 開発したライフサイクルインベントリデータベースに、フランスやオランダなど世界で公開されている6つの農業に関するデータベースのプロセスデータを入力し、その結果の比較検討によって、精緻化を行った。 c) 副産物利用を総合的に評価するため、アロケーションやシステム拡張に関する枠組みを作成した。また、事例として有機肥料の水田への施用による収量とライフサイクル全体の温室効果ガス(GHG)排出量を慣行栽培の場合と比較し、高肥料分の堆肥利用が有利なことを明らかにした。 |
カテゴリ | 土づくり 肥料 乾燥 こまつな 施設園芸 水田 データベース なたね バイオマスエネルギー ぶどう 未利用資源 メタン発酵消化液 輸送 |