摘要 |
a 試験目的:秋まき小麦の起生期および止葉期双方の追肥が省略可能な基肥施肥法を肥効調節型肥料の利用により確立する。、 b 試験方法:、 (a) 各種肥効調節型肥料の窒素溶出特性の把握、 試験方法:圃場埋設試験(深さ5cm)。埋設地点:場内(自然条件,土壌凍結促進条件)、大空、美幌。供試肥料:被覆尿素肥料6種類(シグモイド型LPS20・30・40・60,直線型LP20・40)、化学合成緩効性肥料3種類(HCDU短・中,スーパーIB)、 (b) 道東地域における起生期追肥省略技術の確立、 耕種条件:品種「きたほなみ」、播種量140粒/㎡、畦間30cm。供試肥料:被覆尿素肥料6種類(シグモイド型LPS20・30・40・60,直線型LP20・40)、化学合成緩効性肥料2種類(HCDU短・中)。窒素施肥処理:基肥12kg/10a(系列A:肥効調節型肥料10+硫安2、系列B:肥効調節型肥料8+硫安4)+止葉期追肥4kg/10a、対照4-8-4。、 c 成果の概要:、 (a) 埋設試験では、LPS30、40の積算窒素溶出率は根雪前まで30%未満と低く、その後収穫期までに80%以上溶出した。LPS20の溶出率も根雪前まで35%と比較的低いが、積雪期間中に溶出が進み、起生期には80%近くまで溶出した。、 (b) 起生期までの生育量は肥料の種類や量の違いによる差は小さかった。LPS20、30、40は起生期以降も生育量が対照区と同程度で、LPS60は幼穂形成期以降の茎数と窒素吸収量が少なく、LP20、HCDU短は止葉期以降の窒素吸収量が少なかった。、 (c) 対照区の子実重630kg/10a、子実蛋白10.1%に対し、LPS30、40は同程度であった。一方、肥効調節型肥料10kg/10aを施用した系列Aは同8kg/10aの系列Bより窒素吸収量、穂数、子実重が多かった。、 (d) 対照区の窒素吸収量は起生期~幼穂形成期に約4kg/10a、止葉期~成熟期に約6kg/10aであった。LPS30、40は対照区に近い値を示し、起生期追肥省略の可能性が示唆された。、、
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