大規模水田農業地帯における総合的雑草管理システムの構築

課題名 大規模水田農業地帯における総合的雑草管理システムの構築
研究機関名 宮城県古川農業試験場
研究分担 水田利用部
研究期間 完H24~26
年度 2014
摘要 <目的>、 本県では,問題化する雑草種が変遷かつ多様化しており,一部地域では帰化雑草のアレチウリやアサガオ類の蔓延により甚大な被害が生じている大豆圃場もある。また転作大豆においては適切な管理作業が行われずに一般雑草が繁茂している状況があり,収量・品質の低下,ひいては復元水稲作の雑草問題を引き起こしている。そこで,本研究では大規模水田農業地帯における「難防除雑草の拡大・蔓延の阻止」と「水田輪作雑草管理法の革新」を目的とし,総合的雑草管理の実現を可能とする広域的営農システムの構築を目指す。、<成果>、 当県の水稲作ではイヌホタルイ・オモダカ・クログワイが主要な残草種でありノビエ・クサネムの後発も問題となり得る。麦作圃場では,タデ類・スズメノテッポウ・ノボロギク・ヤエムグラ・シロザ、大豆作ではタデ類・アメリカセンダングサ・ノビエ・シロザが主要な残草草種である。河川広域水路から農道や用水路を介して水田内大豆作へアレチウリの侵入が確認されているが、河川広域水路法面のアレチウリは9月上旬以降の除草剤散布で強く種子生産を抑制することができる。、 水稲作イヌホタルイALSI交差抵抗性個体群分布調査では,部位特異的変異個体が7筆で確認された。発根法や実生法、酵素活性法などの各種生物検定により検出できる。これらの交差抵抗性であってもブロモブチドやベンゾビシクロンでの防除が可能である。県内の水稲作のオモダカでは交差抵抗性個体は確認されなかったが、67%の頻度で従来型のSU抵抗性が存在し、非作用点抵抗性の可能性のある個体が確認された圃場も4筆あった。交差抵抗性の検定として酵素法を用いることは難しい。麦作10圃場のうち3圃場でスズメノテッポウのSU抵抗性が疑われる個体が存在したがさらなる確認が必要である。、 難防除雑草の防除法についてイヌホタルイの他では、クサネム、クログワイ、畑雑草ではアレチウリ・アサガオ類について検討した。、 クサネムに対して有効な初期剤と初中期剤を組み合わせて体系処理することで,各剤を単用する場合よりも8月下旬までの開花・結実株を安定して抑制することができる。漏水田でのクサネム対策としてはビスピリバックナトリウム塩(2.0%)液剤の茎葉散布が有望である。クログワイに対する秋耕による塊茎減耗の効果は冬期間の土壌の乾燥が促進される条件で高まる。クログワイの発生始期にALS阻害剤処理することで水稲生育後期までクログワイの後発を抑制することができる。、 アレチウリの出芽は10月中旬まで確認されるが,9月下旬以降に出芽した個体は成熟した種子を生産しない。また,大豆圃場では大豆茎葉の遮光によって新たな出芽が抑制される。大豆生育前期(大豆本葉2~5葉期頃)の手取り除草と効果の高い土壌処理型除草剤,適期のベンタゾン液剤処理,茎葉処理型除草剤の畦間・株間処理を組み合わせた総合的防除体系により,慣行の防除体系に比べてアレチウリ残草量を大幅に低減できた。帰化アサガオ類に対し、土壌処理剤のフルミオキサジン水和剤、茎葉処理としてベンタゾン液剤、吊り下げノズルによるDCMU水和剤の畦間・株間処理、中耕培土、グルホシネート液剤の畦間・株間処理による体系防除は、多発条件においても大豆収穫作業に影響のないレベルにマメアサガオの防除が可能であった。、3)県内の雑草発生状況のモニタリング及び多発事例等から想定された大豆作における残草要因としての「営農要素」及び「雑草制御要素」を選定し、大豆作経営体のチェック項目を整理し、指導者が対象経営体の雑草管理に関わる技術レベルをを診断できるチェックリスト調査票及び調査方法の基本形を作成した。、 大豆播種前の不耕起管理下において湛水処理を行うことで,アメリカセンダングサやタネツケバナは出芽が促進される傾向であり,シロザやタデでは抑制される傾向が見られ,気温の低い条件下でより減少した。播種後の残草量を見ると,シロザでは湛水処理を行うことで低減され,湛水処理によって土壌物理性が変化し,土壌処理剤の効果が高まったものと推察されるが,その他の草種では効果が判然としなかった。、ディスク式中耕培土機は,土壌水分や中耕時期によらず,ディスク式の作業速度はロータリ式の約2倍であった。非湿潤条件においては,ディスク式はロータリ式よりも土を株元まで寄せるため,中耕後の株間の残草量はロータリ式に比べ少なくなる傾向があった。、塗布処理は,雑草発生ランクが2程度であれば,一般的な広葉雑草に高い効果が得られた。発生程度が高い(4程度)ほ場では,塗布処理による作業性向上は得られなかった。帰化アサガオに対する2回処理では,薬液の付着による薬害で大豆収量が減収した。草丈160cm以上のオオイヌタデには個体あたり3ヶ所塗布処理が有効であり,オオイヌタデの大豆収穫時水分は約50%に減少した。シロザ,オオイヌタデが残草する現地圃場において,9月上旬の塗布処理により大豆収穫前に抜き取りが必要な残草量,作業時間は減少し,軽労化が確認できた。大豆着莢期前(雑草生育期)における個体あたり1ヶ所および3ヶ所塗布は,シロザに対する効果が高く,子実肥大期塗布よりも高い効果を示した。、
カテゴリ 病害虫 あさがお 乾燥 管理システム くり 経営管理 軽労化 雑草 除草 除草剤 水田 大豆 抵抗性 土壌処理 難防除雑草 播種 防除 モニタリング 輪作

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