摘要 |
目的:各地域の実状に応じて、栗・麦・芋・米など様々の焼酎粕を豚に給与することで、特色豊かな豚肉生産の可能性を探り、新たなブランド豚の開発を視野に入れた取り組みを図る。、成果:①県内の各種焼酎粕の飼料価値及び保存方法等の検討では、糖蜜及び乳酸菌製剤無添加の対照区と比較して、乳酸菌製剤を添加した試験区は腐敗臭を発することなく低いpH値で推移し、食パン焼酎粕で7日目、芋焼酎粕で2日目を経過した頃からその差が顕著となった。また、各焼酎粕の一般栄養成分を分析し、乾物換算で市販の肉豚肥育用配合飼料と比較したところ、食パン及び麦焼酎粕ともに粗たんぱく質及び粗脂肪含量が高く、さらに食パン焼酎粕には粗灰分が多く含まれていた。②肥育豚への各種焼酎粕給与試験では、対照区と比べて試験区では、DG、1日あたりの採食量、飼料要求率及び飼料効率が上回り、出荷日数の短縮とあわせて、経費削減効果が認められた。また、対照区と比較した食味調査では、51.2%以上の回答者が食パン焼酎粕を給与した豚肉を好む傾向であった。③子豚への各種焼酎粕給与試験では、試験区と対照区を比べて、DG及び1日あたりの採食量がほぼ同等の数値を示し、飼料要求率及び飼料効率は試験区が対照区をやや上回った。また、糞便中の微生物検査において、対照区と比較して試験区では乳酸菌数が多く、大腸菌群や腸内細菌群は少なく、給与が進むにつれその差が顕著になった。、
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