課題名 | 赤果肉リンゴにおける着色変動要因の解明 |
---|---|
課題番号 | 2014026919 |
研究機関名 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究期間 | 2014-2018 |
年度 | 2014 |
摘要 | 1)「Pink Pearl」では、収穫期の約一ヶ月前(8月12日)の時点では果肉にアントシアニンはほとんど蓄積されておらず、収穫期直前の約10日間のうちに急速に蓄積されること、エチレン発生速度の変化もアントシアニン合成とほぼ同じ経過をたどることがわかった。一方、「Geneva」では、収穫期の約20日前(8月12日)の時点ですでに成熟果と同程度のアントシアニンが果肉に蓄積されていること、エチレン発生速度は果実ごとに大きくばらつくことがわかった。 2)摘果強度を変えた区を3区設定する予定であったが、樹の生育状況から2区(4頂芽1果と1頂芽1果にそれぞれ摘果)に変更して、摘果強度が果実品質に与える影響について調査した。「Pink Pearl」・「Geneva」ともに、4頂芽1果の樹の方が1頂芽1果の樹よりも果実が大きく、全体的に果肉のアントシアニン濃度・糖度・酸度が高かった。「Pink Pearl」では、果実重200-224g区における果肉のアントシアニン濃度が4頂芽1果の樹の方が2倍以上高かった。「Geneva」では、4頂芽1果の樹の果実重200-224g区と1頂芽1果の樹の果実重200g以上の区とで果肉のアントシアニン濃度を比較すると、前者の方が約2倍高かった。 3)8月12日・22日に収穫された「Pink Pearl」の果実では冷蔵保存中に果肉のアントシアニン濃度に変化がなかったが、9月2日に収穫された果実ではアントシアニン濃度が増加する傾向が見られた。一方、「Geneva」では、8月12日・20日・29日のどの時期においても、収穫時のアントシアニン濃度が一番高く保存中に減少していく傾向にあることがわかった。 4)長野県須坂市で収穫された「Pink Pearl」の果実(8月29日収穫)では、岩手県盛岡市で収穫された果実(9月9日収穫)よりもデンプン指数が低く、糖度が高く、酸度が低かったが、硬度に違いはなかった。また、長野県須坂市で収穫された果実では9月4日時点での冷蔵後のアントシアニン濃度が2.7μg/cm3であるのに対して、岩手県盛岡市で収穫された果実では9月4日および9月9日におけるアントシアニン濃度が21.5μg/cm3および47.3μg/cm3であり、収穫地によって果肉のアントシアニン濃度に差があることがわかった。 |
カテゴリ | ばら りんご |