飼料用米油脂成分の機能性を利用した孵化直後早期飼料の開発

課題名 飼料用米油脂成分の機能性を利用した孵化直後早期飼料の開発
課題番号 2014027468
研究機関名 (国) 東北大学
東京農工大学大学院共生科学技術研究院
研究期間 2010-2014
年度 2014
摘要 現場における実用化可能な米ぬか油を用いた孵化後早期飼料確立するために以下の3試験を行った。
試験1:現場における出荷時までの実証試験を行ったところ、米ぬか油を添加した区は、対照区に比べ120gの生体重増加が観察された。一方、飼料要求率に変化は認められなかった。米ぬか油の添加によるコスト増加は大きく見積もっても約6円であり、出荷時体重増加あるいは1日早く出荷できることによる収益は約14円増と算出される。よって、1羽あたり生産者は約8円の収益増が可能となる。
試験2:米ぬか油の機能性を保持するために、エトキシキン100ppmを米ぬか油添加飼料に混合し、1ヶ月間室温保存した後に飼料に添加して、体重の増体を観察した。その結果、エトキシキンを添加した飼料は、室温で1ヵ月経過した後も機能性を維持しており、対照区に比べ21日齢時体重が増加した。
試験3:試験1で得られた鶏肉(ムネ肉)を-80℃で保存し、食肉の質を検証した。筋繊維束の最大径、断面積ともに対照区に比べ米ぬか油区で有意に大きかった。せん断力価も対照区に比べ米ぬか油区で高く、これは筋繊維束が太いことに起因すると推察された。一方、パネラーによる官能評価では、全ての項目に有意な差は認められなかった。よって、孵化後早期飼料で生産したブロイラー鶏の肉質には、若干の差は認められたものの、大多数のヒトの味覚で感知できるレベルではないことが明らかとなった。
以上の結果から、米ぬか油の機能性を利用した増体を改善する実用的な孵化直後早期飼料を確立し、また、それによって生産された鶏肉は、通常飼育のものと比べて遜色がないことが明らかとなった。
カテゴリ 機能性 コスト 出荷調整 飼料用米

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