需要拡大に向けた用途別高品質・安定多収大麦品種の育成

課題名 需要拡大に向けた用途別高品質・安定多収大麦品種の育成
課題番号 2015027772
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
協力分担関係 長野県農試
福岡県農林業総合試験場
全国精麦工業協同組合連合会(全麦連)
岡山大
雪印種苗(株)
愛知農総研
みたけ食品工業株式会社
美作大
美作市立作東老人保健施設
研究期間 2011-2015
年度 2015
摘要 新規胚乳成分特性などを導入した高品質品種や大麦粉用品種の育成に関しては、
a) 糯系統「もち盛系D-B055」は、寒冷地での適応性を認めたことから、平成28年度の地方番号候補として検討することとした。
b) 強連鎖する新規開発マーカーの遺伝子型とデンプンの形状(fra型もしくは野生型)が全て一致したことから、同マーカーはfra系 統の選抜に利用可能と判断した。
c) fra遺伝子により胚乳が粉状質化する機作については、タンパク質含有率が同等又はやや高い場合でも通常品種より比重が小さいことから、デンプン粒の間にプロテインマトリクスで満たされていない空隙が多く存在するために、胚乳が粉状に保たれることを明らかにした。
利用技術の開発に関しては、
a) 高β-グルカン含量品種「ビューファイバー」を配合したパン、うどん中のβ-グルカン分子量は原料大麦粉と比較して保持される ことを明らかにした。また、高β-グルカン大麦粉からβ-グルカンを濃縮調製しβ-グルカン含量約20%の「超高β-グルカン大麦粉 」は、原料大麦粉よりビスコグラム粘度が高く、小麦粉と混合したときの吸水率増加も大きいことを明らかにした。
b) 高β-グルカンオオムギ品種「ビューファイバー」や「キラリモチ」の玄麦や搗精麦を中程度に焙煎すると、β-グルカンを保持し つつにおいの改善が可能であること、搗精麦より玄麦で効果が高いことを明らかにした。
複合抵抗性を有する安定多収品種・系統の育成に関しては、
a) 寒冷地で普及している「ファイバースノウ」のもち性突然変異系統「北陸皮糯58号」を開発し、奨励品種決定調査、現地試験及び 種子の大規模増殖を開始した。また、寒冷地向けオオムギの効率的な選抜に有用なLAMPマーカー(秋播き性、うどんこ病抵抗性、縞萎縮病抵抗性)やdCAPSマーカー(閉花性、LOX欠失性)を開発した。
b) 長崎県との協同研究により、「御島裸」代替となり得る麦味噌原料用裸麦品種選定のために実需者を交えた評価試験を実施した結 果、平成27年度中の品種登録は行わず、半数体倍加系統「長崎裸3号」の味噌評価試験を再び実施することにした。
飼料用オオムギ系統に関しては、二毛作に適する飼料用オオムギ系統の家畜嗜好性を現地試験のWCSを乾乳牛に給与して評価し、「関 東皮93号」は嗜好性に問題がないことを実証した。
このほか、
a) 「ミノリムギ」並の耐雪性と「シュンライ」並の早熟性を併せ持った寒冷地での広域適応性系統「東北皮47号」を開発した。二条 大麦の糯性有望系統については、実需者評価を進め、実需者に求められている皮麦で多収の「西海皮糯73号」を新品種候補とし、現地試作に向け実需者との協定研究を締結した。
カテゴリ 萎縮病 うどんこ病 大麦 小麦 需要拡大 飼料用作物 新品種 水田 抵抗性 二毛作 乳牛 品種 輪作

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