課題名 | 寒冷地の土地資源を活用した自給飼料の省力・省資源・生産利用技術の開発 |
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課題番号 | 2015027786 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2015 |
摘要 | 寒冷地における省力・省資源自給飼料生産技術に関しては、 a) ヘアリーベッチを冬期の緑肥として導入すると、菌根形成促進によるリン吸収量の増加と根粒菌による窒素固定により、後作トウ モロコシの施肥量を、リン酸は10kg/10a程度、窒素は7.5kg/10a程度節減できることを4年間の継続試験により示した。 b) トウモロコシホールクロップサイレージにアルファルファ乾草を加えて再貯蔵すると好気的変敗が抑制されることを示した。 c) ヘアリーベッチのリビングマルチ(LM)を導入すると、飼料用ダイズの収量性はイタリアンライグラスのLM栽培よりも150kg/10a程度高まるが、ギシギシ等の永年生雑草やイヌビエが多い圃場では十分な雑草防除効果が望めないことを実証試験で明らかにした。 d) イタリアンライグラスのリビングマルチ栽培は、一般の飼料畑程度の雑草であれば、雑草の種類や発生量にかかわらず十分な雑草 防除効果が期待できることを実証試験で明らかにした。 e) 飼料用ダイズは青立ち状態になった場合でも、発酵品質は良好で栄養価にも問題がないが、植物性エストロゲン含量が著しく上昇 するので、泌乳牛や繁殖牛への給与は避けなければいけないことを示した。 f) 放牧草地への窒素施肥量と導入草種の違いが、日本短角種放牧牛の日増体量に及ぼす影響を明らかにし、草地管理指標の作成に必 要な基礎的知見を得た。 g) ネムノキの樹幹内の牧草収量は、樹冠外よりも明瞭に高く維持され、無施肥にもかかわらず年平均4~6t/haに達したことから、被 陰樹を兼ねた肥料木としてのネムノキの栽植は、省資化技術として有望であることを示した。また、栽植密度は100m当たり6~4本間隔が適正と判断した。 |
カテゴリ | 病害虫 アルファルファ イタリアンライグラス 雑草 飼料用作物 施肥 大豆 とうもろこし 乳牛 繁殖性改善 |