課題名 | 国際重要伝染病の監視技術の高度化と蔓延防止技術の開発・評価 |
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課題番号 | 2015027837 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
協力分担関係 |
日本ハム株式会社 富士フイルム株式会社 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2015 |
摘要 | より特異性が高く現場で簡便に診断できる手法の開発と侵入防止対策に関しては、a) 近年流行している口蹄疫ウイルス血清型A及び血清型SAT1、2、3の株にそれぞれ特異的なモノクローナル抗体を新たに作出した。 b) これまでに作製したモノクローナル抗体の中からイムノクロマトグラフィーによる口蹄疫ウイルス全7血清型すべての検出及び血清型別に最適なクローンを選抜することに成功した。 c) 豚コレラウイルス(CSFV)、牛ウイルス性下痢ウイルス(BVDV-1、BVDV-2)及びボーダー病ウイルス(BDV)のそれぞれの表面タンパク質(E2)を識別診断用抗原とするため、組換えE2タンパク質を作製した。間接蛍光抗体法にて組換えタンパク質が元の抗原性を保持していることを確認した。 d) CSFV診断用陽性血清を得るため、CSFV GPE-株及びBDV FNK2012株に対する豚免疫血清を作製し、ウイルス接種豚の中和抗体価はそ れぞれ128~256倍、256~512倍であることを示した。 病原体の伝播・存続様式の解明に基づく遮断方法の開発に関しては、a) 口蹄疫ウイルスO/JPN/2010株の異種動物間水平伝播の解析と 感染動物内でのウイルス遺伝子及び抗原性状の変化の検証に関し、山羊と牛の間で同居感染が成立することを明らかにした。 b) 口蹄疫ウイルスの宿主域の決定因子と、ウイルス非構造タンパク質3A及び3Bの関係を明らかにするため、これまでの感染実験で回 収したウイルス遺伝子の当該領域を解析したが、動物種特有の変異は確認されなかった。 c) 平成22年の口蹄疫発生時の病性鑑定材料297症例から分離した127株のうち、84株の全塩基配列を次世代シークエンサーによって決 定し、分子系統樹解析を行った結果、平成22年発生時に国内に侵入したウイルスは1株のみであったことが推察できた。 |
カテゴリ | 豚 防除 山羊 |